老後の生活費が足りない|年収1200万円55歳の独身貴族が老後破産の危機







老後の生活費が足りないのではないか?」そう思うと夜も不安で眠れない。そのような人も多いのではないでしょうか。今回は、現在の生活水準を落とせないばかりに老後の生活費が足りない状態となり、老後破産の危険性がある55歳男性の家計簿を見直したいと思います。

55歳男性橋下さんのケース
年齢:55歳
住所:東京港区
仕事:会社役員
自宅:43歳の時に8000万円で購入したマンション
年収:1200万円(手取り70万円)
貯蓄:1000万円
住宅ローン期間:25年ローン
住宅ローン支払い:29万円/月

橋下さんはいわゆる「独身貴族」と呼ばれる部類の人間です。55歳にして年収は1200万円、東京都港区のマンションに住み、仕事は会社役員として充実し社会的地位も高い。そんな独身貴族の橋下さんが老後の生活費を用意することができない可能性が出てきた原因をつきとめると共に、老後の生活費を確保できるように家計簿を見直したいと思います。

橋下さんの家計簿

橋下さんは、会社役員という立場もあり現在の生活水準を維持させることには強い思いがあります。その生活習慣とは、趣味のワインに始まり、ファッションもブランド品を定期的に購入しますし、外食も発生するような生活のため支出は非常に高くなっている状況です。早速、橋下さんの収入と支出を確認してみましょう。

手取り収入700,000
食費(交際費・外食費含む)80,000
住宅ローン・管理費等332,000
水道光熱費20,000
通信費20,000
日用品8,000
被服費100,000
交通費50,000
保険医療費10,000
趣味・娯楽費80,000
支出合計700,000
毎月の収支0

年収は高いのですが、やはり、被服費や食費、趣味・娯楽費などの項目が非常に高く貯金が作れていない状態です。この家計簿を見れば支出の多い項目を削減するだけでも老後の生活に向けて貯蓄をすることができるでしょう。まずは、橋下さんと相談し老後の生活費をぎりぎりまで切り詰めた場合のシミュレショーンを行います。

65歳から68歳までの橋下さんの家計簿

収入は定年退職し年金収入のみになりますので、15万程度まで激減。支出は住宅ローンの支払い29万円(管理費を含めると33.2万円)が68歳まで続きます。その他の支出を削減しても、65歳から68歳までは-34万円/月の赤字、住宅ローン完済しても毎月5万円程度の赤字となるようです。

65歳から68歳までの家計簿のシミュレショーン

手取り収入150,000
食費(交際費・外食費含む)50,000
住宅ローン・管理費等332,000
水道光熱費15,000
通信費10,000
日用品8,000
被服費30,000
交通費25,000
保険医療費10,000
趣味・娯楽費10,000
支出合計490,000
毎月の収支-340,000

橋下さんと相談しこれまでの生活から大幅に支出を削減しましたが、毎月34万円×36ヶ月(3年間)のため赤字のため、-1224万円の支出が発生します。これを、貯蓄の1000万円から引くだけで老後の資金は-224万円不足する計算になります。これでは、年収1200万円あっても老後破産待った無しの状態になってしまいます。

老後破産の危険性がある理由

橋下さんの場合、現在、55歳なので定年退職まで10年間の時間があります。この期間に現在の支出を先ほどの老後の生活費水準まで落とすことができれば毎月20万円の黒字を見込むことができはずです。従って、10年間で20万円×120ヶ月=2400万円の老後資金を確保することができるでしょう。

ただ、橋下さんは現在の生活水準を先ほどのシミュレショーンまで落とすことに非常に抵抗があります。やはり人に会う機会も多いことから、身なりや趣味にお金を使うことは一種の投資である。という考えも持っています。そのため、できる限り生活水準を落とさずに老後破産しない方法を模索することが希望です。そこで、橋下さんが老後破産にならないようにするために家計簿の見直しを考えたいと思います。

段階的に老後の生活費を確保する

橋下さんの生活に支障が出ない程度に段階的に老後の貯蓄を増やす方法を提案したいと思います。

老後の生活費を確保するための3つのステップ

  • 第1ステップ:55歳から65歳までは、一定金額まで支出しても大丈夫なラインを決める
  • 第2ステップ:65歳から68歳までは、サイドビジネスで収入を増やす
  • 第3ステップ:68歳以降は、毎年の支出範囲で我慢しない程度の生活する

第1ステップ:55歳から65歳までの老後の生活

まず、65歳までは無理のない程度に支出を行なってOKとします。現在、橋下さんは、食費(交際費・外食費含む)、被服費、交通費、趣味・娯楽費に年間370万円もの支出を割いています。この支出を年間220万まで留めます。これで年間に150万円の貯蓄が作ることができますのでそれぞれの内訳と対策方法をみてみましょう。

 変更前変更後 
食費80,00080,000変更なし
被服費100,00060,000毎月の購入していたものを2ヶ月に1回に変更する
交通費50,00010,000タクシー移動が大半だったところを削減、港区中心の食事に変更
趣味・娯楽80,00035,000高額ワインだけでなく手頃な掘り出し物のワインを開拓する
月間支出310,000185,000 
年間支出3,720,0002,220,000 
貯蓄額1,500,000 

食費は付き合いも多いでしょうから、これまでと変更はしません。その分大幅に改善すべきは「交通費」です。タクシー移動ばかりでしたが電車や徒歩などを活用し交通費の削減を行うようします。

また、被服費も毎月様々なブランドで購入していましたが、2ヶ月1回に変更します。ただ、購入するのはこれまで通り同じブランドのものです。

最後に趣味のワインは、高いワインだけでなく誰でも手が出しやすいが美味しいワインを開拓する。というように軸を変えることで新しい楽しみ方を見つけるようにしました。

65歳までの貯蓄額

150万円×10年間=1500万円

現在の貯蓄と合わせることで2500万円まで貯蓄が確保できる

第2ステップ:65歳から68歳までの老後の生活

第1ステップの生活を元に所得が大幅に減少する定年後の生活ですが、よほど大きな病気などにかからなければ最近では元気な人も多いですし、橋下さんは会社役員ということもあり人脈も豊富です。そのため、65歳から68歳の間はこれまでの経験を通じて仕事を継続することしました。とは言っても収入は現在の年収ベースではなく年収360万円(月収30万円)を目標に仕事をすることにします。

65歳から68歳の貯蓄額

年金15万円+給与所得30万円=45万円

65歳時点の月間支出金額=57.5万円

年間赤字金額=150万円(-12.5万円×12ヶ月)

68歳時点の貯蓄額=2500万円-450万円=2050万円

第3ステップ:68歳以降の老後の生活

68歳以降は、継続した仕事も退職することで年金収入のみとなります。一方で、付き合いなども減ることから老後の生活費はこのタイミングで先ほどのシミュレーションであげた−5万円になる水準まで落とすようにしてみましょう。

68歳以降の貯蓄額

仮に90歳を寿命とした時に、68歳から80歳までの12年間で老後の生活費を計算します。

-5万円×144ヶ月=720万円の赤字

2050万円(貯蓄)-720万円=1330万円

これだけでは老後破産は回避できない

さて、橋下さんの老後の生活費に大筋の目処が立ちましたが、これで安心するのは少し早いかもしれません。橋下さんは独身のため、「介護問題」に対して備える必要があります。独身のため老人ホームや介護施設への入居を前提に考えることが安心ですので、入居一時金として300万円、月額費用を25万円として見積もりを立てましょう。

80歳から90歳まで介護施設に入居した場合

入居一時金:300万円

月額費用:25万円×120ヶ月=3000万円

年金収入:15万円×120ヶ月=1800万円

月額費用ー年金収入=1200万円

1330万円(貯蓄)-1200万円(介護費用)=130万円

ぎりぎり乗り切れる生活ですが、これに大きな病気や90歳以上長生きした場合は老後破産をしてしまう可能性が高くなります。そこで、年齢に応じて住宅を現金化する方法をお伝えしたいと思います。

55歳から68歳まで老後資金が不足した場合

55歳から68歳までに何かしたら問題で老後資金が不足した場合は、老後の生活費の切り詰めだけでは限界があるでしょう。この場合は現在のマンションを担保リバースモーゲージを活用することがオススメです。売却してしまうと新たに住む家を確保する必要がありますが、リバースモーゲージであれば引き続き、現在のマンションにお住いになれますので、住宅と老後資金の両方を確保することが可能です。

68歳以降に老後資金が不足した場合

68歳以降の場合は、老人ホームへの入居なども選択肢に入りますので、現在のマンションを売却し住み替えをしてしまう手があるでしょう。この場合は、次に住む住宅が確保されていることから最適な判断として考えられます。

まとめ

老後の生活費をあまり考えずに散財をしてした橋下さんですが、55歳の段階で気がつき、所得が一定(なにも1000万円以上である必要ない)の水準を見込めれば現在の生活習慣を変えるだけで老後破産を乗り切れる可能性が高まります。老後資金を確保する方法は複数ありますので、現在の状況、未来の生活を見据えて判断を行うようにしましょう。









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