【給与金額別】厚生年金受給額の計算方法と早見表で支給額をチェック







2017年12月厚生労働省が「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」で公開した最新の実績を参照すると、厚生年金の平均支給額は年額177.5万円、月額にすると14.7万円を支給していることが分かります。

ただし、厚生年金(老齢厚生年金)は、給与と加入年数によって支給額が決まるため支給額も個人差が大きくなります。では、自分はいくらの厚生年金(老齢厚生年金)を受給できるのか気になるところですがなんとも計算が複雑。

そこで今回は、厚生年金受給額の計算方法に加え、早見表を作成しましたのでご確認頂ければと思います。

厚生年金の平均受給額は年額177.5万円・月額14.7万円

厚生年金の支給額を決める計算式をお伝えする前に実際に厚生年金はいくら受給しているのか?平均的な厚生年金の受給額を確認したいと思います。

2018年最新|年金支給額の平均は国民年金5.5万円・厚生年金14.7万円」にてご紹介しましたが、厚生年金の平均支給額は年額177.5万円となっており、月額にすると147,927円となります。こちらは男女の平均値となります。

男女別に見ると、男性の厚生年金平均支給額は166,863円、女性の厚生年金平均支給額は102,708円となっており、男女の差が非常に大きくなっていることが分かります。

この理由は、女性の場合は結婚や出産などによって仕事を辞めてしまい全体の受給額が減ってしまうことが想定されますので、女性でも60歳まで仕事を続けることで男性と変わらない厚生年金を受給することは可能になります。

厚生年金受給額の計算式

まず、厚生年金の受給額は本来どのような計算式で求めることが出来るのか確認をしてみましょう。非常に複雑な計算式になりますので、予備知識程度に覚えておきましょう。

厚生年金受給額の計算式

報酬比例年金額+ 経過的加算+ 加給年金額=厚生年金受給額

さて、難しい言葉がいくつか出てきましたが、それぞれの意味と算出方法を確認してみましょう。

報酬比例年金額とは

報酬比例年金額とは、給与やボーナスに連動した給与平均と加入期間を掛け合わせたものを指しており、厚生年金受給額を算出する上で主たる部分となります。

報酬比例年金額は、平成15年3月以前は給与のみの平均でしたが、平成15年4月以降は給与と賞与の平均で算出するように計算式が変わりました。

 

  • 平成15年3月まで:賞与を含めない月の平均給与にて算出(平均標準報酬月額)
  • 平成15年4月以降:給与と賞与を含めた月の平均給与にて算出(平均標準月額)

上記の通り、いつから加入しているかで計算式が分かれますが、平成15年3月以前から厚生年金に加入している方は、3月以前と4月以降を分けて計算し合算させる必要があります。それでは報酬比例年金額の計算式を確認してみましょう。

報酬比例年金額の計算式

経過的加算とは

経過的加算とは、20歳未満や60歳以上の間に厚生年金加入している場合、その分を加算するということになります。

国民年金の支払い義務は20歳から60歳と決められておりますが、厚生年金は中学卒業から最大70歳まで加入することが可能です。そのため、20歳未満の加入分と60歳を超えた部分の加入分を老齢厚生年金としてに加算するということを「経過的加算」と呼びます。

ただし、「経過的加算」は480ヶ月が上限があることから単純に長く加入すれば老齢厚生年金の支給額が増えるという訳でもないのが実態です。

実際、20歳から60歳まで会社員で働き続けた場合は、480ヶ月に達してしまいますので、経過的加算で老齢厚生年金が加算されることはない。ということになります。

経過的加算の計算式

加給年金額とは

加給年金額とは、年金制度における家族手当みたいなものです。

厚生年金の加入期間が20年以上あり、被保険者が65歳になった時に、配偶者が65歳未満であるか18歳以下の子供がいる場合に支給される年金となります。

配偶者と子供2人目までは、1人つき22万4,300円の支給となり、子供が3人目以降は7万4,800円が支給されますので、年の差婚夫婦にとっては嬉しい制度です。逆に姉さん女房の場合は加給年金が受給できないということになります。

加給年金の支給額

厚生年金受給額の早見表

上記のように、厚生年金受給額は複雑な計算式を組み合わせて算出されますが、ベースとなるのは「報酬比例年金額」になりますので、この「報酬比例年金額」から早見表を作成したいと思います。

平成15年3月までの厚生年金受給額の早見表(あくまで目安となります)

平成15年4月以降の厚生年金受給額の早見表(あくまで目安となります)

厚生年金受給額の見込み額はねんきん定期便でチェック

ここまで、厚生年金受給額の平均額、計算式、早見表をお伝えしてきましたが、最も簡単に厚生年金の受給額を知る方法は「ねんきん定期便」になります。

ねんきん定期便は、誕生日月に日本年金機構からご自宅に送付される書類ですが、そこには将来受け取れる年金見込額が記載されていることから不安な方はチェックしてみましょう。

また、50歳を超えると「ねんきんネット」でも、将来の年金受給見込額をチェックできますので、50歳以上の方はこちらも合わせて確認してみましょう。

厚生年金保険料の増加に見る年金受給額減少の未来

平成29年9月1日より厚生年金保険料は「18.182%」から「18.300%」に引き上げされましたが、平成16年から引き上げされ続けた保険料も今回の引き上げで上限に達しました。

そのため、今後は保険料が引き上げされることはないと想定できますが、年金保険料は年金支給の原資となるだけに、収入部分が固定されることで問題が起きてしまいます。それは、労働者人口の減少が予測される日本は、年金収入が減少する一方、年金を受給する高齢者は増えるため支出が増加することです。

これでは、収入よりも支出が増加することから年金制度が崩壊することを意味しています。

そこで政府が導入したマクロ経済スライドが発動される訳ですが、要は収入に合わせて支出を自動調整する仕組みになります。従って、年金収入の減少が予測されるといことは年金支給額が減少してしまうということになります。詳しくは、「厚生年金の保険料が18.3%に引き上げ|どうなる未来の年金事情」にて解説しておりますのでご参照ください。

また、老後資金の必要額は「老後資金の必要額|夫婦二人で5000万円の貯蓄が必要な理由」でも解説したように5000万円が1つの目安となりますので、少しでも若いうちから老後資金を貯めることを考えた方が良いと言えるでしょう。

2018年最新|年金受給開始年齢を70歳以上へ繰り下げ可能!?

2018年1月16日年金支給年齢の繰り下げを現行の70歳から75歳〜80歳への繰り下げ期間の延長を検討していると発表がありました。現在の年金繰り下げ制度は70歳を上限に最大142%も増額で年金を受給できますが、これを最大80歳まで引き上げができる訳です。

これは、2025年問題など超高齢化社会に向けた社会保障費の確保が目的であることは否めないと思いますが、現在は高齢者の生活保護受給率が50%を超えるなど老後破産している高齢者が少なくありません。

確かに富裕層の高齢者がいるものの、この制度によって年金の受給年齢を繰り下げる人がどの程度いるのか未知数と言えます。

とは言え、どうにかして年金の財源を圧縮したい。という政府の思惑も垣間見れる制度であることから今後の年金制度の改正には不安が残る発表であることは間違いありません。

厚生年金受給額のまとめ

厚生年金受給額について計算方法と早見表をお伝えすると共に、厚生年金の平均支給額、保険料値上げについて解説を行いました。

厚生年金は手厚い保障が受けられる制度で非常に重宝しますが、「マクロ経済スライド」の影響によって少なからず年金支給額が減少すると想定できます。そのため、少しでも早く老後資金の準備をはじめるようにしましょう。

厚生年金の仕組みを詳しく知りたい方は以下の記事もご確認ください。









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老後資金の教科書

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