国民年金に扶養はない|厚生年金の扶養と何が違うのか?制度を解説







結婚や退職などによって配偶者の扶養になるケースはよくあると言えます。

その際、「年金も扶養に入れば保険料を支払う必要は無くなるの?」と疑問に感じている人も多いことだと思います。そこでポイントになるのは、配偶者(扶養する人)が「国民年金」と「厚生年金」のどちらに加入しているのか?という点です。

どの年金に加入しているかによって扶養の考え方が変わることから、今回は、国民年金の扶養と厚生年金の扶養の違いについて解説を行います。

国民年金には扶養の概念がない

まず、国民年金の扶養という概念は存在しない。ということをお伝えしたいと思います。

国民年金は、20歳から60歳まで収入の有無に関係なく納付する必要がありますので「扶養する」「扶養される」という考えがないのです。

もし、経済的に国民年金保険料の納付が難しい場合は、年金事務所に申請し承認されることで保険料の一部または全額免除を受けることは出来ます。詳しくは「国民年金が免除になる年収の基準とは?世帯別に目安所得を解説」をご参照ください。

保険料の免除を受けた場合は、2年以内に保険料を納付することで追納加算額なしで納付が出来ます。2年を超えてしまうと追納課税額が発生してしまいますが、最大10年まで遡って納付することが可能になります。

詳しくは「国民年金の追納(後払い)とは?社会保険料控除を活用し賢く節税する方法」をご参照ください。

厚生年金加入者の扶養は第3号被保険者に該当する

でも、扶養に入ると年金保険料の支払いが免除されると聞いたけど…」という人も多いと思いますが、これは、扶養者(扶養する人)が会社員や公務員として働き厚生年金に加入している場合になります。

厚生年金加入者は第2号被保険者と呼ばれますが、この配偶者に扶養される人を第3号被保険者と呼びます。

第3号被保険者になると年金保険料を納付していないにも関わらず国民年金に加入している扱いになります。そのため、国民年金の受給資格が発生する10年を越えれば老齢基礎年金の受給が可能になります。

第1号被保険者(国民年金)の扶養にはなれない

上記のことから、国民年金保険料が免除されるのは厚生年金に加入する配偶者に扶養される場合になりますので、扶養者が自営業など第1号被保険者に該当する場合は年金保険料の免除は受けられません。(経済的事情による免除は除く)

第3号被保険者として扶養になれる条件

第3号被保険者になるためには配偶者に扶養される必要がありますので所得条件があります。

第3号被保険者に該当するための収入条件

  • 年間収入130万円未満
  • 同居の場合:収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満
  • 別居の場合:収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満

※年間収入とは、過去の収入ではなく被扶養者に該当した時点及び認定された日以降の年間の見込み収入額のこと
※給与所得等の収入であれば月額10万8333円以下、雇用保険等受給者の場合は日額3611円以下

上記の収入条件を満たしており、配偶者によって生計が維持されていることが条件になります。

第3号被保険者から外れる条件

ここで1つ注意点があり、年間の所得が130万円未満でも以下にの条件に該当する場合は第3号被保険者にはなれません。

年間所得130万円未満でも第3号被保険者になれない場合

  1. 勤めている会社の従業員が501名以上の場合
  2. 週に20時間以上勤務している場合
  3. 1年以上勤務することが見込まれている場合
  4. 賃金月額が8.8万円以上ある場合
  5. 学生では無い場合

上記の5点を全て満たす場合は、第3号被保険者にはなれませんので注意が必要と言えます。

第3号被保険者に切り替えする方法

それでは、より具体的なケースについてお伝えしたいと思います。

結婚や退職などによって、第3号被保険者に切り替えする時に「第1号被保険者から第3号被保険者に切り替えるのか?」「第2号被保険者から第3号被保険者に切り替えるのか?」で手続き方法が異なります。

第1号被保険者から第3号被保険者に切り替えする方法

まず、第1号被保険者(扶養前に国民年金のみを支払っていた人)から第3号被保険者に切り替える場合の手続き方法をご紹介します。

第1号被保険者から第3号被保険者に切り替える方法

  • 国民年金の登録情報の変更手続きを行う。(名前や住所)
  • 配偶者が勤める企業に申請書類を提出する

配偶者が勤める企業に提出が必要な書類は以下の通りです。

第1号被保険者から第3号被保険者に切り替えに必要な書類

  • 国民年金第3号被保険者該当届け
  • 第3号被保険者になる人の年金手帳と配偶者の年金手帳
  • 配偶者の収入によって生計が維持されていることを証明する書類

上記の必要書類を揃え配偶者が勤める会社に提出を行えば手続きは完了になります。

第2号被保険者から第3号被保険者に切り替えする方法

次に、第2号被保険者(扶養前に厚生年金を支払っていた人)から第3号被保険者に切り替える場合の手続き方法をご紹介します。

第2号被保険者から第3号被保険者に切り替える方法

  • 厚生年金の登録情報の変更手続きを行う。(名前や住所)
  • 配偶者が勤める企業に申請書類を提出する(名前や住所が変更された年金手帳)

配偶者が勤める企業に提出が必要な書類は以下の通りです。

第1号被保険者から第3号被保険者に切り替えに必要な書類

  • 被扶養者異動届け
  • 生計を同一にしていることを証明する婚姻届
  • 被扶養者(扶養される人)の年金手帳

扶養者(扶養する人)が勤める企業によって提出書類が変わる場合もありますので事前に担当部署に必要書類の確認を行いましょう。

第2号被保険者(扶養者)への影響

第2号被保険者の人からすると「扶養する人が加わることで納付する保険料が増額されるのではないか?」「受け取れる年金額が減少するのではないか?」と不安に感じることもあると思います。

結論、第2号被保険者の人が新たに扶養した場合も、納付する保険料が増額されることもありませんし、受け取れる年金額が減少することもありません。

これは、厚生年金の保険料や受給金額が「所得」に連動しているためになります。詳しい解説は「厚生年金保険料の仕組みとは?31等級別の保険料と計算式を解説」と「【給与金額別】厚生年金受給額の計算方法と早見表で支給額をチェック」をご参照頂ければと思います。

まとめ

国民年金の扶養と厚生年金の扶養の違いについて解説を行いました。

そもそも、国民年金には扶養はありません。そして、厚生年金加入者(第2号被保険者)の扶養になる場合は、第3号被保険者となり国民年金の保険料が免除されると覚えておきましょう。

第3号被保険者の詳しい解説は「第3号被保険者とは?条件・年金受給額・手続き・資格喪失など疑問を解説」も合わせてご参照ください。









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