【再婚した方は注意】遺族年金の受給において知っておくべき4つの事







遺族年金を現在受給している方もこれから受給を控えている方も事前に知っておくべき遺族年金の知識があります。

先日「遺族年金18億円の過払い|受給資格を失った1000人に支給」にてご紹介しましたが、遺族年金の受給資格を失ったにも関わらず、喪失手続きを行わず受給を続け18億円もの過払いが発生したことが問題になりました。

これは、日本年金機構が「住民基本台帳ネットワーク」や「戸籍情報」との照合を行わず書類の不備だけをチェックしていたために過払いが発生したと言われております。

しかしながら、遺族年金の受給喪失の手続きは受給者本人が行う必要があることから、今回は遺族年金の受給時に知っておきたい4つの知識をお伝えしたいと思います。

1.遺族年金受給者が再婚した場合支給停止か減額となる

遺族年金受給者の妻が再婚した場合は、現在受給している遺族年金額が支給停止または減額となります。ここでは2つのケーススタディで解説を行いますので該当しているか確認を行いましょう。

遺族厚生年金のみを受給する妻

厚生年金に加入する夫が亡くなり、18歳以下の子供(18歳到達年度の末日までにある子供)がいない妻は「遺族厚生年金のみを受給することが可能です」。

このケースでは妻が再婚すると遺族年金の受給資格が消滅しますので、遺族年金受給額は0円となります。事実婚や内縁関係でも遺族厚生年金が支給停止となる場合もありますので合わせて認識をしておきましょう。

また、この再婚相手と離婚をした場合に遺族年金を再度受給することもできませんので注意しましょう。

遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給する妻

遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給できる妻とは、「厚生年金に加入している夫を亡くし、18歳以下の子供(18歳到達年度の末日までにある子供)がいる家庭」であれば双方を受給することが可能になります。

ただし、この妻が再婚した場合は遺族基礎年金も遺族厚生年金も支給停止となります。

一方で18歳到達年度の末日までにある子供は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給資格を有しておりますので以下の支給停止要件に該当しなければ遺族年金を受給することが可能になります。

子供の遺族年金が支給停止となる要件

  1. 妻が遺族基礎年金、遺族厚生年金の受給権を有している間は子供の遺族年金は支給停止となる
  2. 父または母と生計を同一にする子供は遺族基礎年金が支給停止となる

今回のケースで子供が母と同居している場合は、子供の支給停止要件(2)に該当することになりますので、子供が受け取れる遺族年金の種類は「遺族厚生年金のみ」となります。

再婚ではなく旧姓に戻すだけなら遺族年金は受給可能

夫の死後に妻が再婚をせずに旧姓に戻すだけであれば遺族年金の受給資格は消滅しません。従って継続して遺族年金が受給できますので氏名変更の手続きを行いましょう。

2.子供が18歳を超えると遺族年金が減額される

子供が18歳に到達するまでは、妻が遺族基礎年金を受給することが可能になります。

遺族年金の仕組み|受給金額はいつまでいくら貰えるのか?」にて解説を行いましたが、遺族年金は平成29年度の受給額で77万9,300円+子の加算となっており非常に大きな受給額になります。

遺族基礎年金の受給額

77万9,300円+子の加算によって給付額が決まる

  • 子供が1人の場合:100万3,600円(77万9,300円+22万4,300円)
  • 子供が2人の場合:122万7,900円(77万9,300円+22万4,300円×2人)
  • 子供が3人の場合:130万2,700円(77万9,300円+22万4,300円×2人+7万4,800円)
  • 子供が4人目以降の場合:年間130万2,700+4人以降の子ども1人につき7万4,800円

上記の金額が子供が18歳を超えた場合に支給停止となり、遺族厚生年金のみ受給となることから支給額は大きく減少してしまうでしょう。ただし、この状態になった妻を救済する仕組みも用意されております。

それが、40歳から65歳までの間に給付される「中高齢寡婦加算」になります。これは該当する年齢までの妻を対象に年額58万4,500円が給付される制度になっておりますので、遺族基礎年金の受給額が減少した場合の救済措置として活用ができるでしょう。

3.遺族年金と自分の老齢年金は受給額の多い方が支給される

それでは、遺族年金を受給しながら65歳に到達し、自分自身が老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)の受給資格を有した場合は遺族年金の扱いはどうなるのか解説します。

原則、受給できる年金は「老齢年金か遺族年金かどちらか一方しか受給できません」ので基本的には受給金額が高い方を受け取ることとなります。

まず、65歳になった場合は、自分が受け取れる老齢年金がいくらなのかを基準とします。その上で、遺族厚生年金と老齢厚生年金の差分が遺族厚生年金として支給されることになります。

遺族年金と老齢年金の支給額ケーススタディ

65歳を迎えた妻がこれまで受給していた遺族厚生年金が年額50万円と仮定します。

受給している年金の種類受給額(例)
遺族厚生年金50万円

そして65歳時点で受給できる老齢基礎年金が70万円、老齢厚生年金が30万円と仮定します。

受給している年金の種類受給額(例)
老齢基礎年金70万円
老齢厚生年金30万円

この時に、老齢年金の合計額である100万に遺族厚生年金の50万円が加算されて、150万円受給できると考えてしまいますが、これは誤りになります。

実際には、「遺族厚生年金(50万円)ー老齢厚生年金(30万円)」となりますので遺族厚生年金の受給額は20万円に減額されます。従って、このケーススタディの場合は120万円の年金を受給できることとなりますので、計算ミスが無いように注意しましょう。

遺族年金よりも厚生年金の方が受給額が大きい場合は?

上記の「遺族厚生年金ー老齢厚生年金」にて計算を行う場合に、老齢厚生年金の方が遺族厚生年金よりも受給額が大きい。というケースもあると思います。この場合は、遺族厚生年金は支給停止となりますので注意しましょう。

4.遺族年金は非課税になるので所得扱いされない

遺族年金の最大のメリットとも言えるのが非課税であることです。全額が所得控除されますので遺族年金をいくら受給したとしても所得には含まれません。

従って、所得税や住民税の節税に繋がることから家計の負担を大きく減らすことができるでしょう。加えて、給与収入が130万円以下であれば、子供世帯などの扶養家族になることも出来ますので、さらに節税効果が期待できます。

遺族年金の非課税における節税メリットについては「遺族年金が非課税の根拠|扶養家族は所得税や住民税の節約にも繋がる」でも詳しく解説をしておりますのでご参照ください。

まとめ

遺族年金の受給時に知っておきたい4つのことについて解説を行いました。

年金制度は複雑ゆえに知らないと損をしてしまうことが多々ありますので必要な知識を身につけ国の制度をうまく活用するようにしましょう。

また、遺族年金は申請しなければ受給できませんので「【保存版】遺族年金の手続き|万が一に備えて知っておきたい申請方法」を参照いただき速やかに手続きを行いましょう。









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