退職金は確定申告が必要?不要?還付金が期待できる3つのケース







退職金は確定申告が必要なのか?不要なのか?いざ、退職金を受け取った際に疑問に感じる方も少なくないでしょう。

原則、退職金を受け取った際は確定申告は不要になりますが、それはなぜか?また、年の途中で会社を辞め再就職が決まらない場合などは確定申告をした方が良いと聞いたがその理由はなぜなのか?

など、今回は退職金が支給される時の確定申告の疑問について解説すると共に、確定申告をした方が良い3つのケースをお伝えします。

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退職金は原則確定申告が不要

退職金を受け取る際は「退職所得の受給に関する申告書」の提出を行うことで、住民税や所得税が源泉徴収されてから退職金が支給されるため原則、確定申告は不要になります。

さらに、「退職所得の受給に関する申告書」を提出すると非常に税金の優遇が受けられるのもポイントです

実際にどの程度税金が優遇されるのか計算式と計算例を確認してみましょう。

退職所得の受給に関する申告書の提出で税金を大幅軽減

「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合の所得税の計算式は「退職所得金額 ×10.21%」にて計算が可能になります。

実際にどの程度、所得税が軽減されるのか事例をもとに計算をしたいと思います。

退職所得の受給に関する申告書を提出した場合の所得税を計算

  • 退職金一時金:2200万円
  • 勤続年数:29年4ヶ月
  • 退職所得控除額:800万円+70万円 × (30年ー10年)=1500万円
  • 退職所得金額:(2200万ー1500万)×1/2=250万円
  • 所得税額:250万円 × 10.21=25万5250円

※退職所得の受給に関する申告書を提出しない場合は退職金に対して20.42%の所得税率が掛けられますので、2200万円 × 20.42%=449万2400円が所得税として課税されます。 

「退職所得の受給に関する申告書」を提出するだけで大幅な税金優遇を受けられることをご理解頂けたと思います。上記所得税に住民税を加算した金額を源泉徴収として退職金から差し引かれますので確定申告が不要になるという訳です。

退職金の税金については「退職金の税金|退職所得の算出方法から住民税・所得税の課税額を計算」にて課税される税金の種類と計算方法を解説しておりますのでご参照ください。

退職金を確定申告すると還付金が期待できる3つのケースと計算例

上記のとおり、「退職所得の受給に関する申告書」を提出することで確定申告は不要となりますが、一部ケースに該当にする方は確定申告が必要となります。(必須という訳ではありませんが還付が期待できますのでぜひ挑戦してみましょう。

退職所得の受給に関する申告書が未提出のケース

1つ目は「退職所得の受給に関する申告書」が未提出のケースです。先ほどお伝えしたように大幅な税金の優遇が受けられるのですが、提出を怠ってしまっては致命的なミスとも言えるでしょう。

もし、提出漏れがあった場合は、確定申告を行うことで還付を受けられる可能性がありますので必ず確定申告を行うようにしましょう。

年の途中で退職し再就職しないケース

年の途中で退職し再就職しないケースは確定申告を行なった方が良いというのはよく聞く話かもしれません。これは年間の収入が赤字になることで還付金が期待できるためになります。計算例を確認してみましょう。

3月に会社を退職した場合

  • 3ヶ月分の給与:90万円
  • 給与所得控除額:65万円
  • 配偶者控除額:38万円
  • 社会保険料控除額:30万円
  • 基礎控除額:38万円
  • 課税される所得金額:90万円ー(65万円+38万円+30万円+38万)=ー71万円

※そのほかも控除が受けられる項目がありますので、控除額が増えるだけ課税される所得金額のマイナス幅は大きくなります。

収入赤字がー71万円になりますので、確定申告を行うことでおおよそ3.5万円程度の還付金が期待できるでしょう。

再就職したが著しく収入が減少したケース

先ほどの事例と同様に再就職した場合でも収入が著しく低下し収入が赤字になる場合も確定申告にて還付金が期待できます。こちらも計算例を確認してみましょう。

再就職したが収入が150万円の場合

  • 給与収入:150万円
  • 給与所得控除額:65万円
  • 配偶者控除額:38万円
  • 社会保険料控除額:30万円
  • 基礎控除額:38万円
  • 課税される所得金額:150万円ー(65万円+38万円+30万円+38万)=ー21万円

※こちらも他に控除が受けられる項目がありますので、控除額が増えるだけ課税される所得金額のマイナス幅は大きくなります。

収入赤字がー21万円になりますので、確定申告を行うことでおおよそ1万円程度の還付金が期待できるでしょう。

退職金の確定申告は5年間まで遡ることが可能

上記のように退職金を受け取った際も確定申告を行なった方が良い場合があります。とは言え、今更言われても確定申告の期間はとっくに過ぎてしまった。という方も少なくないでしょう。

このような方にも朗報があり、確定申告は5年間遡って申請することが可能になりますので、万が一確定申告漏れがある場合はぜひ挑戦してみてください。

実際に還付金が受け取れるかは事前に税務署に相談することをおすすめします。

まとめ

退職金を受け取った際に確定申告が必要か?不要か?という疑問について解説を行いました。

「退職所得の受給に関する申告書」を提出する場合は、原則確定申告は不要になりますが、再就職が決まらない場合や再就職したが収入が著しく低下した場合は確定申告を行うことで還付金を受け取れる可能性があります。

今一度申請について検討することをおすすめします。









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