厚生年金の扶養とは?条件・金額・手続き方法について解説







厚生年金に加入している夫と扶養に入っている妻がいた場合に「どこまでが扶養の範囲なのか?」「年金に加入する必要はあるのか?」と疑問に感じる人も多いことでしょう。

社会保険と言えば、健康保険だけでなく、年金、雇用保険、介護保険、労災保険なども適用範囲に含まれることから自分の年金も夫が支払ってくれているだろう。と考えのは自然な事といえます。

確かに、夫が厚生年金に加入している場合は妻は年金保険料の支払いが不要となりますが、それは国民年金保険料のみになります。

一体これはどのような意味なのか?今回は厚生年金の扶養と呼ばれる「第3者被保険者」について条件、金額、手続き方法を解説したいと思います。

厚生年金の扶養は国民年金のみに加入しているということ

夫が厚生年金に加入し妻が扶養である場合、妻は年金保険料の支払いが免除されます。ただし、夫が妻の年金保険料を代わりに支払っている訳ではありません。

夫が支払っているのは自分自身の厚生年金保険料のみであり妻の年金保険料は免除されているだけになります。これが「厚生年金の扶養(正しくは第3者被保険者)」と呼ばれるものです。

ただし、大きな勘違いをしている人が非常に多いのが実態です。

仮に免除されているとしても、妻である私も厚生年金に加入している。ってことでしょ?」と考える方も多いのですが、厚生年金の扶養として適用されるのは「国民年金部分だけ」となりますので厚生年金には加入していないのです。

従って、65歳を迎えた歳に夫は厚生年金(老齢厚生年金)を受給しますが、妻は国民年金(老齢基礎年金)のみを受給することになります。

年金保険料を支払わずして国民年金が受給できるだけでも御の字である。と考えることもできますが、厚生年金と国民年金では受給できる金額に大きな差がありますので、一概良し悪しを判断することも難しいと言えるでしょう。

国民年金と厚生年金の平均受給額については「2018年最新|年金支給額の平均は国民年金5.5万円・厚生年金14.7万円」をご参照ください。

厚生年金の扶養で受給できる金額

それでは、実際に「厚生年金の扶養」として年金保険料が免除された場合にいくら年金を受給できるのか?金額をお伝えしたいと思います。

先ほどもお伝えしたように、「厚生年金の扶養とは国民年金のみに加入している」ことになりますので、受給できる金額は国民年金の支給額となります。

国民年金は20歳〜60歳まで必ず加入する必要がありますので仮に全期間加入している場合、「年額77万9300円」、月額にすると「64,941円」を受給することができます。

厚生年金の平均受給額が14.7万円であることから国民年金のみの場合、年金受給額が少なくなります。この点において「厚生年金の扶養」であることが得なのか損なのか判断が分かれるポイントでしょう。

また、独身時などに年金保険料の未納がある場合は受給額はさらに下がってしまいます。実際に自分自身が受け取れる年金額を正しく知りたい場合は「年金定期便」に記載されている年金額を参照することをおすすめします。

年金定期便の見方については「年金定期便の見方を解説|いくらもえるか全てが分かる便利なはがき」をご参照ください。

厚生年金の扶養に加入する条件

厚生年金の扶養であることが「得なのか?損なのか?」これについては配偶者の方が仕事ができる状態にあるか否かによっても変わることでしょう。

そこで、厚生年金の扶養に加入するための条件をお伝えさせて頂きますので、扶養から抜けたい場合は条件以上に給与を得ると良いでしょう。

厚生年金の扶養に加入する条件

  • 年間の収入が130万円未満であること
  • 60歳以上や障害厚生年金を受給している場合は180万円未満
  • 同居している場合は被保険者の収入に対して半分未満であること

上記の条件を満たしておくことで厚生年金の扶養に加入することが可能になります。収入においては「雇用保険の失業給付」、「公的年金」、「健康保険の傷病手当金や出産手当金」も含まれます。また、別居の場合には、収入が被保険者からの仕送り額未満であることが条件になります。

加えて、年間収入の定義は、「過去ではなく被扶養者と認定された時点からの見込み収入である」ことにも注意してください。給与額にすると月額10万8333円以下、日額3611円以下が基準となります。

年間130万円未満の収入でも扶養に入れない場合がある

ここで1つ注意点があります。

労働時間が20時間以上であり1ヶ月の賃金が8万8000円以上の人は、年間の収入が130万円未満でも扶養に入れませんので注意してください。

ただし、①〜⑤に該当する人は例外となります。「①:既に社会保険に加入している」、「②:学生」、「③:75歳以上」、「④:雇用期間が1年未満」、「⑤:従業員数500人以下の会社に勤めている」という人は例外になります。

扶養の範囲を誤って認識しないように注意してください。

厚生年金の扶養に加入する手続きと外れる手続き

厚生年金の扶養に加入するためには、被保険者の勤め先を経由して日本年金機構に「被扶養者(異動)届」を提出すれば手続き完了となります。

また、厚生年金の扶養から外れる場合も同様に会社を経由して手続きを行うことになります。要は、細かな手続きは会社が行ってくれますので特に心配する必要はありません。

まとめ

厚生年金の扶養について解説を行いました。

厚生年金の扶養とは「第3号被保険者」と呼ばれ国民年金のみに加入している状態になります。厚生年金に加入している訳ではありませんのでその点は注意してください。

また、扶養の範囲を正しく把握していないと厚生年金の扶養から外れてしまう可能性もありますので注意してください。









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