遺族年金は妻が死亡した時に最も注意が必要!共働きはさらに危険







自分よりも先に妻が死亡する」このようなことは誰も考えたくないことでしょう。それでも、人の生き死については誰も予測することは出来ませんしそれが突然訪れる可能性があるものです。

その際、1つだけ揺るぎない真実があるとすれば「妻が亡くなった後もこれまで生活を続けていくことや子供を不幸にさせてはいけない」ということです。

その際、遺族年金は配偶者が亡くなった時に支給される頼もしい存在とも言えますが、実は「妻が死亡した際は夫が死亡するよりも受給できる金額が少ない」のです。

そこで今回は、妻が死亡した時の遺族年金がなぜ少ないのか?解説をしたいと思います。

遺族年金は遺族基礎年金と遺族厚生年金に分かれる

はじめに、遺族年金がどのような制度なのかを振り返りたいと思います。

遺族年金は年金保険料を支払っている人が亡くなった場合に支給される年金の一種になりますが、大きく「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」に分かれています。

遺族基礎年金は国民年金加入者に対して支給され、遺族厚生年金は厚生年金加入者に支給されるものです。では、それぞれの受給額と受給条件について詳しく確認してみましょう。

遺族基礎年金の受給額と受給条件

まずは、国民年金加入者が受給できる遺族基礎年金の受給額と受給条件について確認をしたいと思います。

遺族基礎年金は、2014年3月まで夫は受給することが出来ませんでしたが、男女差を無くすために2014年4月以降は妻が死亡した夫も支給対象となりました。

ただし、子供がいる夫婦のみが支給対象となりますので、子供がいない場合もしくは子供が18歳以上の場合は遺族基礎年金を受給することは出来ません。

遺族基礎年金の条件詳細
給付条件
  • 被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上であり、保険料納付期間が加入期間の2/3以上ある
  • 被保険者の死亡時点から前々月までの1年間の間で保険料の滞納がない
給付対象
  • 18歳未満の子どもがいる妻または夫
  • 18歳未満の子供※(1級・2級障害者なら20歳未満)
給付額

779,300円+子の加算によって給付額が決まる

  • 子供が1人の場合:1,003,600円(779,300円+224,300円)
  • 子供が2人の場合:1,227,900円(779,300円+224,300円×2人)
  • 子供が3人の場合:1,302,700円(779,300円+224,300円×2人+74,800円)
  • 子供が4人目以降の場合:年間1,302,700+4人以降の子ども1人につき74,800円
支給期間
  • 子どもが18歳になるまで(18歳の年度末である3月31日まで)

遺族厚生年金の受給額と受給条件

次に遺族厚生年金の受給額と受給条件について確認をしたいと思います。

遺族厚生年金は厚生年金(老齢厚生年金)に加入している必要があるため、対象者は会社員や公務員の人になります。従って、自営業の人など国民年金(老齢基礎年金)のみにしか加入していない場合は支給対象外になります。

一方、会社員や公務員にとっては恵まれた制度でもあり子供がいない場合でも遺族厚生年金は受給可能になります。

遺族厚生年金の条件詳細
給付条件
  • 被保険者が死亡または傷病の初診から5年以内に亡くなった方で保険料納付期間が2/3以上ある場合
  • 老齢厚生年金の受給資格が25年以上ある方が亡くなった場合
  • 障害厚生年金(1級・2級)を受けられる方が死亡した場合
給付対象
  • 18歳未満の子、孫(障害等級1級、2級の方は20歳未満まで)
  • 55歳以上の夫、父母、祖父母(支給は60歳から)
給付額夫が本来受け取る予定だった厚生年金の3/4
支給期間
妻の場合:一生涯支給される
  • 夫の死亡時に妻の年齢が30歳未満で子供がいない場合は5年間の支給となる
  • 妻の年齢が40歳から65歳になるまでの期間は584,500円/年加算される(中高齢寡婦加算※1)
子供・孫の場合:18歳の年度末まで(障害等級1級または2級の場合は20歳まで)
 
夫・父母・祖父母の場合:60歳以降から一生涯

遺族年金は妻が死亡した時に最も注意が必要

さて、遺族年金の受給額と受給条件を振り返ったところで、本題である「妻が死亡した時に遺族年金の受給額が少ない」という点について解説をしたいと思います。

まず、遺族基礎年金については子供がいれば受給可能になりますので、妻と夫で受給額の差はありません。問題になるのが遺族厚生年金です。

遺族厚生年金の受給条件をよく確認すると「夫が受給する場合は夫の年齢が55歳以上であり支給は60歳以上」となっているため、上記の年齢よりも夫が若い場合は「遺族厚生年金は受給できない」のです。

妻が死亡した場合の遺族年金の支給額をシミュレーション

それでは、夫と妻で遺族年金の受給額にどれ程の差が生まれるのか?事例を元にお伝えしたいと思います。

前提条件

  • 夫の年齢:45歳
  • 妻の年齢:40歳
  • 平均標準報酬月額:35万円
  • 子供1人(12歳)

上記を事例とした場合、夫が死亡し妻が受け取れる遺族年金は「年額158万、月額13.1万円」なのに対して、妻が死亡し夫が受け取れる遺族年金は「年額56.8万、月額4.7万円」となります。

月額で8万円近くも遺族年金の受給額に差が生まれることがお分り頂けると思います。

共働きの場合は世帯年収が大幅ダウン

共働きの場合はさらに注意が必要となり妻の年収が高いほど世帯年収が大幅にダウンすることになります。こちらも事例を元にお伝えしたいと思います。

仮に、「夫の標準報酬月額が35万円」「妻の標準報酬月額が50万円」である場合、世帯年収はおおよそ1000万円程度になることでしょう。

この状態で妻が亡くなった場合は、夫の年収420万円に先ほどの年額56.8万円が加わるだけになりますので世帯年収は480万円程度まで下がってしまいます。

夫が亡くなる場合は、世帯年収で750万円程度を維持することが出来ますので「夫が亡くなるのか?」「妻が亡くなるのか?」で遺族年金の受給額は大きく差が生まれてしまいます。

妻が死亡した場合に備えて生命保険に加入しておくべき

上記のことから、妻が死亡した場合に備えてしっかりと生命保険に加入しておくことは非常に重要と言えます。

共働き夫婦の場合でもマンションの団体信用生命保険の名義人が夫となっており、妻が死亡した場合でもマンションのローンが消えないケースもありますし、夫の生命保険金よりも妻がの方が掛け金が低い場合はよくある話です。

考えたくない事実ではありますが、万が一に備えて妻にも生命保険を掛けておくことは、自分の生活、そして大切な子供の将来を守るためには必要なことと言えるでしょう。

生命保険を検討する場合は、家計に合ったプランを比較することが重要になりますので「保険の比較サイト」などを活用し複数のプランを検討しましょう。

まとめ

妻が死亡した場合に遺族年金の受給額が少なくなってしまう原因について解説を行いました。

遺族年金は残された家族を支える非常に頼もしい制度と言えますが、基本的には夫が亡くなった場合の方が手厚く保護される特徴があります。

従って、妻が死亡した場合は自力で解決するしか無くなりますので「保険の比較サイト」などを活用し、万が一に備えることをおすすめします。









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