【リバースモーゲージ】を契約した年収900万円・元一級建築士の場合







一級建築士と言えば難関資格のひとつ。大手デベロッパーを中心に大規模開発などに腕を振るう。そんなイメージがある世界だが、実際はそんなに甘くはないようだ。現在65歳の男性にリバースモーゲージを契約するまでの経緯を紹介します。

一級建築士の男

名前:健哉
年齢:65歳
職業:元一級建築士(大手不動産メーカー子会社の課長)
住まい:埼玉県
家族構成:妻:65歳、長女:34歳、長男:33歳、次女:31歳、次男:27歳

真面目一筋だった会社員時代

「真面目とは私のためにある言葉だろう。」

健哉には、妻と4人の子供がいる。
飲み歩くようなこともせず、浮気もせずただただ毎日家族が待つ家に帰る。19時には帰宅し20時に家族全員で夕食を共にする。平凡な日常だが、とても幸せなサラリーマン時代だった。

仕事は世界的に有名な建造物の設計。とは言えないですが、若い頃はビルや学校とかの建築に携わっていて、非常にやりがいのある仕事でした。

だが、責任感が人一番強い健哉は仕事のストレスから44歳の時にうつ病になってしまう。

「当時反抗期だった息子に言われました。家でゴロゴロしてないで仕事しろって。子供たちを不安にさせたくないので、うつ病であることを子供たちには隠していました。正直、悔しかったです。私だってお前らのことを一番に考えているんだって。」

それでも45歳を迎える頃にはうつ病も落ち着き、なんとか某大手企業の子会社に課長職として採用が決まった。年収は900万円。この歳で転職ができ、年収も結構高い。悪くない条件だった。仕事内容は新設する工場の現場を管理することがメイン。泥だらけで頑張る現場監督というよりは定時内で現場を監視することがメインなので、比較的ゆとりのある仕事である。

「若い頃は、色々激しく仕事をしました。またそんな仕事をしたい。と思ったりしますが、家族の生活のためわがままは言えません。」

55歳で早期定年退職。早すぎた老後の生活

「とは言え、仕事が楽しいか?と聞かれれば正直まったく面白くはなかったです。」

そんな時に親会社の業績が悪化し、子会社の早期定年退職の案内が届いた。

「当時の貯金は1500万円ありました。これに退職金500万円を合わせれば老後資金は2000万円程度。年金支給までの10年はなんとか乗り切れると思い早期定年退職の決断をしました。引退は良かった。自宅の庭で野菜を作りながら悠々とした生活を60歳くらいまで続けました。その間、妻の千恵はパートをしてくれて月々10万円程度の収入があったので、急速に貯金が減るというよりは緩やかに減っていった印象です。ただ、このくらいの時に、長男の結婚、次女の結婚、次男の大学と結構大きな出費があったのでその時は不安がありました。」

次男の大学卒業。やっと肩の荷がおりたと思ったら。

60歳の年。一番下の息子も大学を卒業し、春から銀行員として社会人になる。

「これで肩の荷がおりたな。と思いました。当時の貯金は確か500万円程度でした。ちょっと焦りを覚えたのはこの頃でした。55歳-60歳までの間に1500万円も使ったのかと。確かに大きな支出はありましたが、それ以外は毎日の晩酌くらいしか贅沢したつもりはなかったです。それでも子供や孫にプレゼントをしたのでこのあたりの出費は大きかったのかもしません。」

61歳から現場監督で再就職したがまさかの体調不良

貯蓄が減ってきたことから61歳の春から現場監督の仕事で再就職。前職のように工場の建設などをメインに管理しているので重労働ってわけではない。案外簡単に仕事が見つかったのはやはり一級建築士の資格があるからだろう。

「月の収入は30万円でした。夫婦2人で暮らす分としては、十分です。妻のパートを合わせれば40万円の収入ですからね。」

ただその生活も長くは続かなかった。

「腰に違和感がありました。徐々に痛みも増してきたので、医者に行ったところ、椎間板ヘルニアでした。ゆとりのある仕事ではありますが、立ち仕事やデスクワーク、移動などもある仕事だったので続けていくことが難しくなってしまいました。」

結局健哉は63歳の時に仕事を退職した。この時の貯金は600万円だった。
ここから、65歳までは妻の月10万円のパート給与と貯蓄で過ごしていく必要がある。

「計算しましたよ。年金受給までの残り2年間分。将来の介護のことなどを考えて」

健哉の老後資金シミュレーション

収入:10万円
支出:31万円
残額:△21万円×12ヶ月=△252万×2年間=△504万円
貯金:600万円-504万円=96万円

「なんとかぎりぎりで乗り切るくらいでした。病気や怪我、介護なんかあったら老後破産する可能性が見えたので正直とても不安になりました。」

予想外の出費。息子の夢と自分の生活

長男の一哉からの連絡は突然きた。

「親父、起業したいんだ。本当言いづらいけど初期費用の50万円なんとか都合をつけてくれないか。」

「突然でしたし、今の計算から50万円を渡すことは本当にリスクが高かったです。息子は学生時代、本当に手の付けられない悪さばかりしていましたが、今は家庭を持って真面目に仕事いている。年2回程度しか会えないが、息子も孫も本当に可愛い。なんとか応援してあげたい。そう思いました。」

悩みながら電車に乗っているとふと電車広告が目に入った。

“リバースモーゲージで老後の生活にゆとりを”

リバースモーゲージってなんだ?と思うよりも、“老後の生活にゆとりを”ってフレームが妙にしっくり来たのを覚えています。」

リバースモーゲージという言葉が妙に脳裏に焼き付いた健哉は帰宅後、すぐにリバースモーゲージについて調べていた

“住宅を担保に融資を受ける。生きている間は金利の支払いだけで元金は死亡後で大丈夫。”

「なるほどこれなら住宅の売却で引っ越しが必要になったりせずに、この家に住みながら老後資金を増やすことができるのか。もう少し、詳しく調べてみようか。」

健哉はリバースモーゲージの価値を感じつつも半信半疑の状態ではあった。
そこで、最寄りの金融機関に連絡し、リバースモーゲージの詳しい説明を受けた。

「メリットもデメリットも理解しました。リスク面が実際に発生するのか?その影響範囲は?という部分は残っていたので不安はありました。ただ、他に老後資金を得られる方法もなかったので、少しでも状況のより金融機関でリバースモーゲージを契約しようと思いました。」

リバースモーゲージは銀行によって商品が様々

様々な銀行がリバースモーゲージの商品を提供していて、どこが良いのか?ネットや資料請求などで情報を探しましたが結構大変でしたね。地域の限定がありますが、私は埼玉に住んでますので大手金融機関ならだいたい対象になりました。」

結局、健哉は5社ほど銀行に問い合わせを行い、リバースモーゲージの比較を行ったが、半年ほどの時間がかかった。もちろんリバースモーゲージの比較だけで半年も時間が必要だった訳ではないが、やはりこれからの老後の生活を決める重要な選択であったことから時間がかかったようだ。

リバースモーゲージを契約。安定と夢を手に入れた

63歳の冬。息子の一哉を筆頭に子供達、そして妻を含めてリバースモーゲージを契約することに賛同を得られた。
担保とする物件の評価額は2000万円の7割が融資額になり1400万円の資金が増えた。これで息子の起業費用や自分たちの生活を安定させることができる。

「リスクなどの不安もありました。ただ、やっぱり老後資金が減る恐怖に怯えて老後の生活を送るくらいならリバースモーゲージを選択した方が良い。と素直に思います。」

65歳の今。健哉の生活は?

「やはり多少の切り詰めはありますが、年金も入りますし、老後破産寸前の時に比べれば安定した老後の生活を送っています。これもリバースモーゲージを契約したことが大きいですね。」

健哉はリバースモーゲージを活用し安定した老後の生活を送ることができた。









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