リバースモーゲージを契約|退職金の資産運用失敗から学ぶ堅実な選択







元飲料関連企業の中村氏が老後の資産運用として退職金の3000万円を株で大損させてしまった話を紹介したが、この中村氏が老後資金としてリバースモーゲージを契約するに至ったのはなぜか?退職金の運用失敗から学んだ堅実な選択がリバースモーゲージだった理由を解説。まずは、70歳時点から設計した老後の資金計画を確認してみよう。

老後の資産運用に失敗。退職金3000万円を5年で使い切った飲料関連企業部長の後悔

2017.04.02

中村氏の70歳から75歳まで老後資金の変化

中村氏は退職金の運用失敗をきっかけに70歳の時に老後の資金計画を作成した。まずは、中村氏が作成した資金計画表の抜粋をみてみよう。

自分の年齢妻の年齢年間収入年間支出1年間の赤字額老後の貯蓄額
70歳65歳2,640,0003,560,000-920,00012,000,000
71歳66歳2,640,0003,560,000-920,00011,080,000
72歳67歳2,640,0003,560,000-920,00010,160,000
73歳68歳2,640,0003,560,000-920,0009,240,000
74歳69歳2,640,0003,560,000-920,0008,320,000
75歳70歳2,640,0003,560,000-920,0007,400,000
76歳71歳2,640,0003,560,000-920,0006,480,000
77歳72歳2,640,0003,560,000-920,0005,560,000
78歳73歳2,640,0003,560,000-920,0004,640,000
79歳74歳2,640,0003,560,000-920,0003,720,000
80歳75歳2,640,0003,560,000-920,0002,800,000
81歳76歳2,640,0003,560,000-920,0001,880,000
82歳77歳2,640,0003,560,000-920,000960,000
83歳78歳2,640,0003,560,000-920,00040,000
84歳79歳2,640,0003,560,000-920,000-880,000
85歳80歳2,640,0003,560,000-920,000-1,800,000
81歳1,680,0002,840,000-1,160,000-2,960,000
82歳1,680,0002,840,000-1,160,000-4,120,000
83歳1,680,0002,840,000-1,160,000-5,280,000
84歳1,680,0002,840,000-1,160,000-6,440,000
85歳1,680,0002,840,000-1,160,000-7,600,000

 私も妻も85歳まで生きた場合でシミュレーションを作成しました。現在、夫婦二人の年金収入は、毎月22万円で年間264万円程度の収入があり、支出は毎月28万円と固定資産税の支払いが20万円。年間で356万円を支出としてシミュレーションを作成しています。また、85歳で私が亡くなった後は、年金収入が毎年168万円、支出は284万としています。

84歳で老後破産が見えてきた

中村氏は現在70歳のため、84歳まではまだ時間があるが、老後破産の可能性が現実味を帯びてきた。これも3000万円の退職金の運用で失敗さえしていなければ老後の生活は安定したものの、悔いては始まらないのも老後の生活だ。その中で、知人がリバースモーゲージを契約したことをきっかけに住宅を活用した老後資金の調達方法に注目するようになる。

 私自身は良いのですが、やはり少しでも妻に老後資金を残してやりたい。自分の無計画な退職金運用の失敗のせいで妻に迷惑はかけられない。そんな思いでリバースモーゲージの契約を検討しました。

リバースモーゲージとハウスリースバックを検討

リバースモーゲージの検討中にハウス・リースバックという言葉を知ることになった中村氏。ハウスリースバック は一度住宅を売却し、その住宅に賃料を支払う形で引き続き同じ住宅に住み続けることができる制度だ。

ハウス・リースバックとリバースモーゲージの制度を徹底比較

2017.05.09

 リバースモーゲージを契約する際にネックになったのはリスクです。先が読めないことに不安を覚えていましたし、とにかく堅実に。が目先の重視したいポイントだったので、リスク対策がなかなか見えてこない部分が不安要素でした。ただ、ハウスリースバック も10年以上住み続けると結局は売却額を賃料が上回ってしまう可能性があるので、それを考慮するとリバースモーゲージの方が今の私たちには合っているのかと考えました。短期的な資金が必要であればハウスリースバック という選択もありだとは思いました。
 

リバースモーゲージの決めては妻に相続できること

リバースモーゲージで借り入れした資金やリバースモーゲージの契約自体を妻に相続できる商品があることが中村氏の決めてになった。またリバースモーゲージで調達できる資金は1800万円であることもポイントだ。仮に中村氏が90歳まで長生きできても生活資金が枯渇する心配はほぼないだろう。

 やはり、私が亡くなった後に妻に住宅が残せずに賃貸住まいにはしたくなかったです。リバースモーゲージは私が死亡すると住宅を売却する必要があると思っていましたが、そのまま妻が住める商品があったのが救いです。やはりリスクは気になりますが、それ以上の価値を感じたことは言うまでもありません。加えて、今は元気ですが、これから介護や病気などで支出が増加する可能性もあるので少しでも余裕がないとまた老後破産の危険性が出てしまうことは避けたかったです。

家族の同意・死亡後の支援も

リバースモーゲージには、推定相続人の承諾が必要である商品も多い。中には不要な商品もあるが、債務者の死亡後を考えると推定相続人の承諾を得る方が望ましいだろう。特に中村氏の場合は二人の子供に事前の承諾を得た方が良い。

 私には、二人の息子がいます。二人とも家庭を持ちそれぞれ都内に住宅を購入しています。そのため、私がリバースモーゲージの制度を説明し、相続ができないことや後処理をお願いするかもしれない。という話をしたところ、さすが男二人だけあって「問題ない」と頼もしい返事をもえらました。これが安心要素となりリバースモーゲージの契約を決意しました。

実際1800万円の借り入れでどこまで生活できるのか?

リバースモーゲージの融資額はおよそ1800万円だ。現在の貯金と合わせると3000万円の老後資金を確保できていることになるが、先ほどのシミュレーションと照らし合わると、中村氏が102歳までは生活できる設計になることから大筋問題ないと思って良いだろう。一方で、介護施設への入居費などを考えると500万円程度は余裕が欲しい。そこで2500万円まで老後の支出が使えるとすると、中村氏が97歳まで老後資金が足りる計算になる。

 まずは一安心です。これから介護などを想定すると非常に不安な部分もありましたが、一旦は安定した老後の生活が送れそうです。退職金の失敗で老後破産するのではないかと思いましたが、なんとか持ち返しました。息子たちには、資産運用自体を否定はしませんが、しっかりと分散投資するように伝えたいですね。

まとめ

中村氏の老後資金はリバースモーゲージによって救われました。今、住宅を保有しながらも老後資金に困った方は一度リバースモーゲージを検討するのが良いでしょう。また、一時的な資金不足などであれば中村氏も検討したハウスリースバック という選択もあります。住宅をただ住む場所として捉えるのではなく老後資金の一手になると考えしっかりと運用をしましょう。









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