元飲料関連企業の中村氏が老後の資産運用として退職金の3000万円を株で大損させてしまった話を紹介したが、この中村氏が老後資金としてリバースモーゲージを契約するに至ったのはなぜか?退職金の運用失敗から学んだ堅実な選択がリバースモーゲージだった理由を解説。まずは、70歳時点から設計した老後の資金計画を確認してみよう。
中村氏の70歳から75歳まで老後資金の変化
中村氏は退職金の運用失敗をきっかけに70歳の時に老後の資金計画を作成した。まずは、中村氏が作成した資金計画表の抜粋をみてみよう。
自分の年齢 | 妻の年齢 | 年間収入 | 年間支出 | 1年間の赤字額 | 老後の貯蓄額 |
70歳 | 65歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | 12,000,000 |
71歳 | 66歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | 11,080,000 |
72歳 | 67歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | 10,160,000 |
73歳 | 68歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | 9,240,000 |
74歳 | 69歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | 8,320,000 |
75歳 | 70歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | 7,400,000 |
76歳 | 71歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | 6,480,000 |
77歳 | 72歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | 5,560,000 |
78歳 | 73歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | 4,640,000 |
79歳 | 74歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | 3,720,000 |
80歳 | 75歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | 2,800,000 |
81歳 | 76歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | 1,880,000 |
82歳 | 77歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | 960,000 |
83歳 | 78歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | 40,000 |
84歳 | 79歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | -880,000 |
85歳 | 80歳 | 2,640,000 | 3,560,000 | -920,000 | -1,800,000 |
– | 81歳 | 1,680,000 | 2,840,000 | -1,160,000 | -2,960,000 |
– | 82歳 | 1,680,000 | 2,840,000 | -1,160,000 | -4,120,000 |
– | 83歳 | 1,680,000 | 2,840,000 | -1,160,000 | -5,280,000 |
– | 84歳 | 1,680,000 | 2,840,000 | -1,160,000 | -6,440,000 |
– | 85歳 | 1,680,000 | 2,840,000 | -1,160,000 | -7,600,000 |
84歳で老後破産が見えてきた
中村氏は現在70歳のため、84歳まではまだ時間があるが、老後破産の可能性が現実味を帯びてきた。これも3000万円の退職金の運用で失敗さえしていなければ老後の生活は安定したものの、悔いては始まらないのも老後の生活だ。その中で、知人がリバースモーゲージを契約したことをきっかけに住宅を活用した老後資金の調達方法に注目するようになる。
リバースモーゲージとハウスリースバックを検討
リバースモーゲージの検討中にハウス・リースバックという言葉を知ることになった中村氏。ハウスリースバック は一度住宅を売却し、その住宅に賃料を支払う形で引き続き同じ住宅に住み続けることができる制度だ。
も10年以上住み続けると結局は売却額を賃料が上回ってしまう可能性があるので、それを考慮するとリバースモーゲージの方が今の私たちには合っているのかと考えました。短期的な資金が必要であればハウスリースバック
という選択もありだとは思いました。
リバースモーゲージの決めては妻に相続できること
リバースモーゲージで借り入れした資金やリバースモーゲージの契約自体を妻に相続できる商品があることが中村氏の決めてになった。またリバースモーゲージで調達できる資金は1800万円であることもポイントだ。仮に中村氏が90歳まで長生きできても生活資金が枯渇する心配はほぼないだろう。
家族の同意・死亡後の支援も
リバースモーゲージには、推定相続人の承諾が必要である商品も多い。中には不要な商品もあるが、債務者の死亡後を考えると推定相続人の承諾を得る方が望ましいだろう。特に中村氏の場合は二人の子供に事前の承諾を得た方が良い。
実際1800万円の借り入れでどこまで生活できるのか?
リバースモーゲージの融資額はおよそ1800万円だ。現在の貯金と合わせると3000万円の老後資金を確保できていることになるが、先ほどのシミュレーションと照らし合わると、中村氏が102歳までは生活できる設計になることから大筋問題ないと思って良いだろう。一方で、介護施設への入居費などを考えると500万円程度は余裕が欲しい。そこで2500万円まで老後の支出が使えるとすると、中村氏が97歳まで老後資金が足りる計算になる。
まとめ
中村氏の老後資金はリバースモーゲージによって救われました。今、住宅を保有しながらも老後資金に困った方は一度リバースモーゲージを検討するのが良いでしょう。また、一時的な資金不足などであれば中村氏も検討したハウスリースバック という選択もあります。住宅をただ住む場所として捉えるのではなく老後資金の一手になると考えしっかりと運用をしましょう。