「リバースモーゲージ」と「不動産売却(自宅用)」どちらを選ぶ!?3つの違いと重視すべきポイントを解説

「リバースモーゲージ」と「不動産売却(自宅用)」どちらを選ぶ!?






リバースモーゲージを検討するときに比較対象として不動産の売却が挙げられます。どちらもまとまった額の老後資金を確保ができることから検討される方は多いと思います。そこで、「リバースモーゲージ」と「不動産売却(自宅用)」についてどのような違いがあるのか解説を行いたいと思います。

「リバースモーゲージ」と「不動産売却(自宅用)」の3つの異なるポイント

リバースモーゲージと不動産売却(自宅用)では「転居」「リスク」「諸費用」の大きく3点の違いを理解し最適な選択ができる知識を身につけましょう。

転居

 リバースモーゲージ不動産売却(自宅用)
転居債務者死亡後売却後すぐに

リバースモーゲージと不動産売却(自宅用)では、転居の時間軸が異なります。リバースモーゲージは債務者が亡くなってから一定の猶予を持って金融機関に代物弁済することから転居までの期間は長くなります。一方で、不動産売却の場合は、速やかに転居を行う必要がありますので、当然ながら次に住む場所を決めてあり、契約も済ませておく必要があります。

リスク

リバースモーゲージ不動産売却(自宅用)
担保物件の評価額低下及び金利の上昇次の住まいを事前に決めておく必要がる
長生きよる融資額への到達生活環境の変化
担保対象地域が限定されているケースがある売却先が決まらずに二重支払いの発生

次にリバースモーゲージと不動産売却(自宅用)の「リスク」についてどのような違いがあるのでしょう。まず、リバースモーゲージのリスクは、金利上昇・不動産価値の下落・長寿化の3点が挙げられます。

 

長寿化リスク

仮に2000万円を融資限度額として、リバースモーゲージで老後資金を調達できたとします。上限が2000万円ですので、5年で2000万円を使いきろうが、30年で2000万円を使い切ろうが同じことですが、当然、5年よりも30年の方が月あたりで使用できる金額が多くなります。

リバースモーゲージで使用できる融資金額イメージ

 2000万円を5年で使用する場合
2000万円÷60ヶ月=33万円

 2000万円を30年で使用する場合
2000万円÷360ヶ月=5.5万円

5年と30年では使用できる金額が大きく異なります。ただ、これ自体は当然のことですので、計画が立てられれば大きな問題にはなりません。ここでの長寿化リスクの問題は、「いつ亡くなるのか分からない」という点です。

リバースモーゲージを活用後、5年で亡くなることも30年以上生きることもあります。リバースモーゲージの「融資限度額」までお金を使ってしまった場合、融資が受けられなくなる。ということが問題です。

金利上昇リスク

次に、「金利上昇リスク」についてですが、リバースモーゲージは一度契約すると長期間契約を行う商品です。30年以上も契約するケースもありますが金利の変化は同然ながら発生するでしょう。

今から30年前を振り返るとちょうどバブル期でしたが、この時は超高金利でした。今は逆に超低金利と30年もあれば様変わりするものです。リバースモーゲージの多くは「変動金利」を採用していますのでこの変化の影響を受けてしまいます。

不動産価値下落リスク

3大リスクの3点目として「不動産価値の下落」ですが、2017年現在に2000万円の融資が可能な物件を所有していたとしても、30年後の2047年にこの物件が変わらず2000万円の価値がある物件なのか?という部分が焦点です。建物は基本的に融資を受けるタイミングで、評価額はほぼ0に近い状態です。

 20年も住むと上物は劣化し資産価値としては著しく下がるため。

そこで「土地」の評価額が融資金額を決める最大のポイントですが、再開発地域に該当し、土地の評価額がうなぎ上りに上昇するケースもあれば、過疎化が進み土地評価額が下落する恐れもあります。

一方で不動産売却(自宅用)のリスクは転居先を事前に決めておく必要があることから、仮に売却先が見つからない場合は、住宅ローンや家賃の二重支払いが発生することが挙げられます。

多くの方は20年以上も現在の住宅にお住いのケースが多い為、なかなか買い手が見つからず時間だけが過ぎていくということも考えられるでしょう。少しでも早く老後資金を手に入れたい方からすると非常にリスクがある選択と言えます。

リバースモーゲージ不動産売却(自宅用)
事務手続き等々で50万円程度の費用仲介手数料や引越し費用など100万円以上

リバースモーゲージの諸費用は「リバースモーゲージの申し込み手順と費用を解説」に詳しく記載をしておりますが、大筋、50万円程度で見積りしておけば問題ないでしょう。

リバースモーゲージの費用は担保にする物件の状態や実際の融資を行う金額により変動するため、正確な金額は各金融機関で算出してもらう必要がございます。

一方で、不動産売却の場合は、「物件の取引価格の3%に6万円を加えた金額+消費税」が仲介手数料の相場です。これに、引越し代、次の物件の敷金、礼金、仲介手数料などが発生しますので100万円以上の費用が発生するケースが多いようです。

不動産売却にかかる費用イメージ

売却価格2000万円
印紙税1万5000円
仲介手数料71万2800円
抵当権抹消登記費1万2000円(約)
事務手数料3150円〜5250円
小計74万2950円

 

不動産売却後の費用イメージ(家賃10万円の物件に入居した場合)

引越し代10万円
前家賃10万円
仲介手数料5万円
敷金・礼金20万円
雑費2万1600円
小計47万4550円

不動産売却費用+売却後費用=121万4550円

リバースモーゲージと不動産売却(自宅用)の費用を比較した場合、2倍から3倍近く不動産売却(自宅用)の支払いが増えてしまいます。家賃や更新費など継続的な支払いも発生することから不動産売却の費用面がネックとなるケースは多いでしょう。

老後の生活で何を重視するのか?

「リバースモーゲージ」と「不動産売却」の違いを解説しましたが、その中で老後の生活で“何を”重視したいのかでその選択は大きく変わるでしょう。ここで、リバースモーゲージと不動産売却の重視するポイントとリスク緩和についてご紹介します。

リバースモーゲージの場合

住宅の傷ひとつひとつに思いが詰まっており、簡単には手放すことはできない。長年をかけて築いた交友関係も無くなってしまう。など「これまでの生活を重視したい」と強く思う方にはリバースモーゲージがオススメです。

老後の生活で重視したいポイント

  • これまでの生活を変えたくない。
  • 初期費用はあまりかけたくない。
  • 資金使途が決まっており、物件売却まで行う必要がない

リバースモーゲージのリスクが緩和できる方

  • 大都市圏などにお住まいで不動産価格の下落リスクが緩和されやすい
  • 多少の金利上昇であれば年金収入などから支払いができる
  • 少ないながらも働くことができるので多少の収入はある

不動産売却の場合

不動産売却の場合は生活環境を変える事になりますが、これまで住みたかった街や親族の近くなど「これからの生活を重視したい」方が不動産売却が向いていると言えるでしょう。

老後の生活で重視したいポイント

  • 現金に多少ゆとりがあり、住宅リフォームなどの手間に時間をかけたくない
  • 子供や仲の良い知人の近くで住みたい
  • 固定資産税など毎年発生する支払いを少なくしたい

不動産売却(自宅用)のリスクが緩和できる方

  • 売却先がすでに決まっている(知人への売却や人気エリアに住宅がある)
  • 売却に必要な費用は預貯金で賄える
  • 新しい場所でもすぐに人と仲良くなれる

老人ホームへの入居を検討している場合

「リバースモーゲージ」「不動産売却」ともに老人ホームへの入居という選択肢もあります。不動産売却は固定資産税などの支払いを無くし老人ホームへ入居できることからスムーズな転居ができるでしょう。

一方、リバースモーゲージを活用し老人ホームへ入居する場合は、夫婦二人で入居するというよりも、夫もしくは妻どちらかが介護を必要とする状態になり、面倒を見きれないケースにどちらかが入居することが多いようです。

この場合、「現在の住まい」と「老人ホーム」それぞれの住まいが必要となるのでリバースモーゲージを活用する方が多いようです。ただ、老人ホームの環境が合わず、短期間で退去してしまうというケースもあるようですが、リバースモーゲージを活用していることで自宅に戻ることができるのは安心材料になるのではないでしょうか。

まとめ

リバースモーゲージと不動産売却の違いを解説しましたが、老後の生活をどのように送りたいのか夫婦で相談したのちに、家族や親族でよく話し合いを行うことが良いでしょう。









「リバースモーゲージ」と「不動産売却(自宅用)」どちらを選ぶ!?

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