リバースモーゲージの制度は金融機関と国(地方自治体)でどのような違いがあるのか比較してみた







リバースモーゲージは1981年に東京都武蔵野市が導入を行ったように地方自治体が導入を開始しました。近年は民間の金融機関での取り扱いも増加し45銀行ほどが商品を提供していますが、この金融機関と国(地方自治体)ではどのように制度が異なるのか比較を行いました。

リバースモーゲージ制度を金融機関と国(地方自体)で比較する

 金融機関国(地方自治体) 
不動産担保型生活資金

 要保護世帯向け

不動産担保型生活資金

対象年齢50歳以上から提供している金融機関もあるが、65歳以上が一般的原則65歳以上 
所得条件一定の所得がある方(年金収入可能)低所得者世帯 社会福祉協議会が生活保護の受給を認める場合
同居人配偶者 配偶者以外も認められれば可能
担保物件戸建(土地・建物)/マンション(金融機関による)戸建(土地・建物) 戸建(土地・建物)/マンション
融資極度額目安不動産評価額の7割/マンションは5割が相場不動産評価額の7割 不動産評価額の7割/マンションは5割が相場
月間貸付金額年金タイプ・一括タイプ(金融機関による)月30万円以内で貸付可能 生活扶助額の1.5倍以内
金利変動金利が一般的(金利水準は金融機関による)年3%、又は長期プライムレートのいずれか低い利率 
保証人原則不要(一部必要な金融機関もあり)

要:推定相続人の中から選任

不要
対象地域金融機関による 全国の社会福祉協議会が対応 

対象年齢の条件は金融機関の方が柔軟

「対象年齢」を比較すると金融機関は50歳からリバースモーゲージの対象としている銀行もあります。(中には20歳以上から融資可能などリバースモーゲージの仕組みを活用した独自の商品などもあり)この点、早期定年退職などをした一般的なサラリーマン家庭など使いやすい設計になっています。

国(地方自治体)の制度は65歳以上と制約があるので、65歳未満でリバースモーゲージを検討する場合は個別の審査を受けるか金融機関のリバースモーゲージを活用することになるでしょう。

国(地方自治体)のリバースモーゲージは低所得者向け

「所得条件」を見ると、金融機関の所得条件は「一定の所得がある人」が対象となります。これは年金収入も認められ、一般家庭向けの一部不足する老後資金を補填したい方を対象としています。 一方で国(地方自治体)のリバースモーゲージは低所得者向けの制度であり、生活困窮者に対して資金の貸付を行う制度であることがわかります。

担保物件はマンションも取り扱う金融機関が増えつつある

数年前までは、金融機関の多くはマンションを融資の対象外としているケースが大半でしたが、近年はマンションも担保対象として認めるケースが増えています。(大都市圏限定が多い)

国(地方自体)の場合は、生活保護水準を対象とした要保護世帯向け不動産担保型生活資金であればマンションも対象になります。 マンションを担保にする場合は、不動産評価額の5割程度の融資となりますのでその点は注意が必要でしょう。

月間の貸付金額

国(地方自治体)の制度は貸付金額に条件があるため、月間で使える金額に制限が発生します。一方で金融機関の場合は、支払いタイプの違いはありますが、まとまった資金を借り入れできる点が国(地方自治体)とは異なります。そのため、住宅のリフォームや転居費用から旅行などの趣味など幅広い用途で活用することができるでしょう。(資金使途の制限は金融機関で異なります)

金利は変動金利が主流

国(地方自体)も金融機関も金利は変動金利を採用するケースが大半です。これはリバースモーゲージの特徴として、死亡後に返済が発生するため未来の金利を読むことが出来ないためです。 変動金利にも長期プライムレートや短期プライムレートなどタイプがありますのでどのような仕組みなのかは事前に確認しておきましょう。

金融機関は原則保証人不要

金融機関は原則保証人不要としているケースが多いです。これは住宅(土地・建物)に根抵当権を設定できることから比較的安心して貸付ができるためです。 一方で国の不動産担保型生活資金は保証人が必要ですので事前に保証人の手配が必要となるでしょう。

国(地方自治体)でも金融機関でもリバースモーゲージを活用する際は、相続人との事前相談及び承認は必ず得るようにしましょう。

金融機関は融資可能な地域が絞られている

金融機関には融資ができない地域があります。これはリバースモーゲージならではですが、担保になる住宅の資産価値が低い地域は担保対象とならず貸付ができない。というケースが多くあり地域を限定している金融機関が多い状況です。国(地方自治体)の場合は、全国の社会福祉協議会が窓口になり対応をしますので地域の縛りはありません。

ただ、国(地方自治体)も金融機関も地域の縛りに違いはありますが、物件が担保の対象にならない場合は融資できませんので同じことかもしれません。

国(地方自治体)と金融機関のリバースモーゲージのメリット・デメリット

これまで国(地方自治体)と金融機関のリバースモーゲージの違いを見てきましたが、結局はどちらを活用するのが良いのかメリット・デメリットをまとめたいと思います。

 金融機関国(地方自治体)
メリット様々な商品を選ぶことができるため自分に合ったリバースモーゲージを見つけやすい生活困窮者でも借り入れができる
65歳未満でも借り入れができる地域の縛りなく融資の対象になる
デメリット一定の所得が必要65歳以上でなければ原則利用できない
融資可能な地域が限定される金融機関が多い制度が厳密に決められているため選択はできない

選択の余地があるならば金融機関のリバースモーゲージが良い?

国(地方自治体)のリバースモーゲージは生活困窮者向けの老後資金の支援制度になりますので、あまり選択ができる状態ではないかもしれません。

一方で金融機関の場合は、資金使途、金利、融資条件など比較するには少々手間ではありますが、複数の金融機関から自分に合ったリバースモーゲージを選択できる点は魅力的でしょう。リバースモーゲージは一度契約すると長期間契約が続きますので選択できるならば複数の金融機関を見比べることがおすすめです。









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老後資金の教科書

老後資金の教科書は老後の生活をより豊かにするために、金融や老後に関する法改正などを中心に解説記事を掲載しています。 リバースモーゲージ、介護保険問題、年金カット法案、高額医療費の自己負担の増加など難しい制度を分かりやすくご紹介します。