【リバースモーゲージの用途vol.2】定年後も子供の教育資金が必要な場合







定年後まだ子供が学生で教育資金が必要な場合、家計への負担は非常に重たくなります。65歳を定年退職とした場合に、ストレートで大学卒業まで進めたとして43歳の時に産まれた子供が対象になるでしょう。

この世帯は子育てに関する教育費用と住宅ローンの支払いの2つが老後の生活に大きな影響を与えることからしっかりと対策を行いましょう。今回は、ケーススタディに基づいて詳細を見ていきたいと思います。

加賀美さん(仮名)55歳男性の場合

妻の年齢:55歳

子供の年齢:長女14歳、次女12歳

世帯年収:800万円(主人600万円、妻200万円)

住まい:持ち家(東京都武蔵野市)

住宅ローン支払い:12万円/月

貯蓄:200万円

加賀美家の生活シミュレーション

まずは加賀美家の現在の収支を確認してみましょう。

項目支出割合
手取額550,0000100.0%
食費85,00015.5%
住居費120,00021.8%
水道光熱費20,0003.6%
通信費20,0003.6%
こづかい50,0009.1%
教育費35,0006.4%
保険料15,0002.7%
趣味・娯楽費10,0001.8%
被服費25,0004.5%
交際費30,0005.5%
日用雑費20,0003.6%
そのほか20,0003.6%
貯蓄100,00018.2%
支出合計550,000100.0%

加賀美家は現在毎月10万円の貯蓄ができています、まだまだ削減できる余地がありつつも比較的優秀な家計簿のように見えます。それではここから未来に向けて支出の変化を見て見ましょう。

現在から65歳までの収支

60歳の時に長女が大学に進学すると共に、高齢者再雇用制度において大幅に所得が低下します。加えて、62歳の時次女も大学へ進学することから支出は最大化します。

 59歳60歳62歳65歳
手取額550,000378,000378,000378,000
奨学金030,00060,00030,000
所得合計550,000408,000438,000408,000
教育費35,00090,000150,00075,000
貯蓄/月100,000 000
支出合計550,000505,000565,000490,000 
収支0-97,000-127,000-82,000
年間収支0-1,164,000 -1,524,000-984,000
貯蓄/累計6,800,000 5,636,0002,948,000 -544,000 
 ※奨学金は1人あたり月額3万円を受け取ったと仮定(所得に左右されますのでご注意ください)

※大学の授業料は月間7.5万円と仮定(入学金は除く)

大学への進学は予想以上の支出になる

上記の一覧表はあくまで概算ではありますが、60歳を超えると大幅に収入が減ることや、奨学金を受け取ったとしても大学の授業料は非常に高額のため、家計への支出として占める割合は大きいでしょう。日本は大学の授業料が極めて高い(多くの先進国は無料)ことでも有名ですし、その金額は年々値上がりをしています。

私立大学の授業料の推移

こちらは私立大学の授業料の推移になりますが、直近10年間でも46,000円近く値上がりをしています。一方で、会社員の平均年収は平成16年439万円から平成26年では415万円まで年間24万も下がっています。こうした支出は増えるが収入が増えない状況が長らく続いており老後のために貯金が作れない世帯が増えている実情があります。

加賀美家は教育資金で破産してしまうのか?

上記のシミュレーションを見ると加賀美家は老後破産のリスクがありますが、結論、よほどのことが無い限り加賀美家は破産しないでしょう。なぜなら、加賀美家は節約可能な支出が多く、例えば「こづかい」を月2万円に抑えるだけで年間36万円の節約になりますし、子供のこづかいであれば高校生、大学生になれば自分でアルバイトをしておこづかいを稼ぎますので不要でしょう。それ以外にも食費や日用品など細かい部分を削減すれば子供が大学に進学しても破産はすることはないと考えられます。

世帯年収が800万円以下の家庭は?

上記のシミュレーションですと世帯年収が800万円ありますので比較的余裕のある家庭でした。一方で世帯年収が800万円を切る場合は教育資金を賄うことができるのでしょうか?

世帯年収が480万円(手取り34万円程度)でシミュレーション

項目支出
食費50,000
住居費80,000
水道光熱費15,000
通信費15,000
こづかい20,000
教育費35,000
保険料15,000
趣味・娯楽費10,000
被服費15,000
交際費15,000
日用雑費10,000
そのほか10,000
貯蓄50,000
支出合計340,000

決して贅沢はできませんが、十分に生活することは可能でしょう。これに加えて奨学金は3万円、5万、8万、10万円のレンジで借り入れができますので不足する分は奨学金の借り入れ額を増やすことで対応は可能でしょう。

奨学金破産が深刻化する

ただ、この奨学金の返済は子供達が行いますが、実は「奨学金破産」が深刻化しています。仮に年利3%で月額10万円を借り入れした場合、総額の返済金額は6,459,510円になります。これを月額の返済金額に当てると26,914円の返済になります。会社員になりまだ手取り額の少ない社会人から毎月2.6万円もの返済が生まれるのは非常に生活が困窮するでしょう。

親からの仕送りを期待したいところですが、上記のシミュレーションのように親世代も老後の生活がやっと。という状況で奨学金の返済が滞り「奨学金破産」が生まれてしまいます。

リバースモーゲージは大学の授業料にも用途として使用できる

そこで奨学金一本に頼らない借り入れ方法としてリバースモーゲージを活用する選択があります。核家族化が進み、将来子供が住宅を相続する予定が無い場合は、いっそのことリバースモーゲージを活用し当面の教育資金に当てるという選択も可能です。これによって直近の金銭問題を大幅に緩和してくれるでしょう。

資金用途が柔軟なリバースモーゲージ

リバースモーゲージの特徴の一つに資金用途が「自由」という金融機関が非常に多いことが挙げられます。リバースモーゲージの制度は高齢者を対象にしていますが、年齢条件として50歳や55歳など支出が増えるタイミングで活用できる商品もあります。加賀美家のように40代で結婚した場合などは老後資金も住宅ローンも教育資金も支払う必要があるため、家庭とって非常に効力を発揮するでしょう。

リバースモーゲージのリスクに注意

リバースモーゲージには3大リスクと呼ばれるものがあります。各金融機関も対策を講じていますが、リバースモーゲージを契約する場合には必ずこのリスクを把握し、相続人である配偶者や子供たちの承認を得てから活用するようにしましょう。

まとめ

加賀美家を例にリバースモーゲージの活用方法をお伝えさせて頂きましたが、定年後も教育費の支払いが発生する場合などはリバースモーゲージの活用を検討を進めておくと良いでしょう。実際に活用するしないはその時の判断により異なるでしょうが、準備を進めておくことでいぜという時にスムーズな対応ができます。









全国320の法律事務所を徹底比較

ABOUTこの記事をかいた人

老後資金の教科書

老後資金の教科書は老後の生活をより豊かにするために、金融や老後に関する法改正などを中心に解説記事を掲載しています。 リバースモーゲージ、介護保険問題、年金カット法案、高額医療費の自己負担の増加など難しい制度を分かりやすくご紹介します。