リバースモーゲージ型住宅ローンを提供する住宅金融支援機構とは一体なにか?







リバースモーゲージの利用条件を確認すると「住宅金融支援機構の住宅融資保険を受けられる方」という一文を目にすることがあると思います。今回は、この住宅金融支援機構とはどのような組織で住宅融資保険とはどのような制度なのか解説を行いたいと思います。

住宅金融支援機構とは

主な業務内容としては、住宅に関する資金の融資を行う組織ですが、金融機関が生活者に対して住宅ローンを提供しやすくするために資金の融通を金融機関に対して行うことが主たる業務内容になっています。加えて、災害などにより住宅に関する資金の調達ができない生活者に限定して個人への融資も行なっている組織になります。

そのため、この組織のお客と呼ばれる存在は、金融機関と個人のふたつの側面があると言えます。我々が長期固定金利の住宅ローンを金融機関から申し込みできるのも、住宅金融支援機構の金銭的な融通があるからこそ。と言える側面もあります。

住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ型住宅ローンの概要

それでは、この住宅金融支援機構が提供する住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ型住宅ローンとは、どのような制度なのか解説を行いたいと思います。まず、この制度は個人向けではなく金融機関向けに提供されている金融商品となります。別途、個人向けの商品もありますので後述します。

住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ型住宅ローンの制度


こちらの表の③・⑤・⑥がポイントと言えます。リバースモーゲージリスクは債務者だけでなく、債権を回収できなくなるリスクを金融機関も追っています。この貸し倒れリスクを保険というかたちで保証してくれるのが住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ型住宅ローンの制度と言えるでしょう。金融機関は住宅金融支援機構に保険料を支払うかたちでこの保証を手に入れています。

保険料の支払いは金融機関が行うのが一般的
住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ型住宅ローンは保険料の支払いが発生しますが、これは個人に負担させるのではなく、金融機関が支払うケースが一般的のようです。

住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ型住宅ローンの対象者

住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ型住宅ローンを活用することで金融機関もリスクを低減しリバースモーゲージの取り扱いが可能になりますが、この制度を活用するには、個人である我々が一定の条件を満たしている必要があります。

リバースモーゲージ型住宅ローンの利用条件

資金使途    申込み本人が居住する予定の建設資金または購入資金
住宅のリフォーム資金
サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金
住宅ローンの借換資金
子供世帯が居住する住宅を購入するための資金
利用条件

申し込み本人の年齢が満60歳以上であること
毎月利払方式の場合は、総返済負担率が以下の通りであること

  • 年収400万円未満のときは、30%以下
  • 年収400万円以上のときは、35%以下

借入申込みに当たって、金融機関からカウンセリングを受けること

借換えの場合は、以下要件を全て満たすこと

  • 借入申込日において、既存の住宅ローンの直近12回分について返済が遅延なく行われている
  • 既存の住宅ローン利用者と借換え後の住宅ローン利用者が同一であること
返済方法元金は住宅ローン利用者全員が亡くなった時に、担保物件の売却又は相続人からの返済により一括返済となる
利息支払い 毎月払い(毎月利払方式)
住宅ローン利用者全員が亡くなった時に元金と併せて一括返済(元利金一括返済方式)
担保及び保証 融資対象住宅に対して金融機関を抵当権者とする第一順位の抵当権を設定
保証人不要
金融機関の制度にプラスされます

こちらの条件は住宅金融支援機構が設定している条件のため、実際にはこの条件に加えて金融機関の条件も加えられる形となります。

住宅金融支援機構が提供する高齢者向け返済特例制度とは

ここまで、住宅金融支援機構が金融機関に提供するリバースモーゲージの保険について解説を行いましたが、住宅金融支援機構が直接高齢者向けに融資を行う制度もあります。

高齢者向け返済特例制度の概要

高齢者向け返済特例制度は、満60歳以上の高齢者を対象にバリアフリー工事又は耐震改修工事を含むリフォームを行う場合の資金を融資する制度です。リバースモーゲージと同じ仕組みを採用しており、元金の返済は申込者の死亡後になることから毎月金利の支払いのみとなる制度です。主な特徴をご紹介します。

高齢者向け返済特例制度の特徴

  •  毎月の返済は金利のみ
  • 返済は債務者死亡後になる
  • 借入金は最大1000万円まで
  • 住宅金融支援機構が承認した保証機関が連帯保証人になる
  • バリアフリー工事・耐震改修工事を含むリフォーム工事に資金用途は限定される

基本的にはリバースモーゲージと制度は同じですが、資金使途がリフォーム工事に限定されている点がポイントになるでしょう。そのため、生活費や旅行などの用途で借り入れができないデメリットがあります。一方で、現在公開されている金利が0.97%と低い水準であることはポイントといえます。金融機関の金利は大筋、2%〜3%程度が相場でしたので、それに比べれば低金利で借り入れができると言えます。そのため、用途がリフォーム工事に限定されている場合は、住宅金融支援機構のリバースモーゲージを活用することも良い選択と言えます。

住宅金融支援機構のリバースモーゲージ対象条件

個人が住宅金融支援機構からリバースモーゲージの申し込みを行うには以下の条件に合致している必要があります。基本的には、各金融機関が提供するリバースモーゲージの条件と同様であることから大筋問題はありませんが、担保住宅の面積部分は事前に該当している確認を行うようしましょう。

対象条件

借入申込時に満60歳以上の方
※年齢の上限はありません。
※借入申込時に満60歳以上の同居親族は連帯債務者となることができます。
ご自分が居住する住宅をリフォームする方
総返済負担率が次の基準以下である方

  • 年収が400万円未満の場合 30%以下
  • 年収が400万円以上の場合 35%以下
    ※申込本人の収入だけで総返済負担率の基準を満たさないときは、同居予定者(満60歳以上)の収入を合算できる場合があります。
    日本国籍の方又は永住許可等を受けている外国人の方
担保住宅

工事完了後の住宅部分の面積が50m2(共同建ての場合は、40m2)以上の住宅
次のいずれかの方が所有又は共有している住宅

  • 申込本人
  • 申込本人の配偶者
  • 申込本人の親族
  • 申込本人の配偶者の親族
資金使途バリアフリー工事又は耐震改修工事のいずれかの基準に適合する工事
※バリアフリー工事又は耐震改修工事以外のリフォーム工事を併せて行う場合も対象になります。
※工事完了後に、物件検査が必要です。工事検査手数料は、本人の負担になります。
融資限度額

次のいずれか低い額

  1. 1,000万円(住宅部分の工事費が上限です。)
  2. 機構が承認している保証機関(注)が定める保証限度額
    ※ バリアフリー工事と耐震改修工事を併せて行った場合でも融資限度額は変わりません。
    (注) 平成28年12月現在、機構が承認している保証機関は、(一財)高齢者住宅財団です。
融資金利借入申込時の金利が全期間固定で適用されます。
適用される金利は毎月改定されます。
返済期間申込人(連帯債務者を含みます。)全員の死亡時まで
返済方法毎月の支払は利息のみ(ボーナス併用払いはご利用いただけません。)
毎月の返済額融資金額 × 融資金利 ÷ 12 (1円未満切捨て)
保証機構が承認している保証機関(注)の保証が必要です。
※保証料に係る費用は、本人の負担になります。
(注)平成28年12月現在、機構が承認している保証機関は、(一財)高齢者住宅財団です。
抵当権建物及び敷地に機構のための第1順位の抵当権の設定が必要です。
※ 抵当権設定費用は、本人の負担になります。
火災保険融資の対象となる建物に、機構が定める要件を満たす火災保険又は火災共済をご利用いただきます。
※ 火災保険料は、本人の負担になります。
一部繰上返済手数料5,250円(税込み)
※一部繰上返済の場合、繰上返済日は毎月のご返済日となり、ご返済できる金額は100万円以上です。
※全額を繰上返済される場合、手数料は必要ありません。
返済条件変更手数料5,250円(税込み)
その他団体信用生命保険はご利用いただけません。
※ 審査の結果によっては、融資ご利用のご希望に添えない場合があります。

住宅金融支援機構のリバースモーゲージ申し込み手順

手続きの流れは以下の通り住宅金融支援機構と保証会社双方の手続きを行う必要があります。融資金額の受け取りは工事完了後になりますので、施工業者が前受け金での着工なのか、事後払いでも大丈夫なのか事前に確認を行うようにしましょう。

まとめ

住宅金融支援機構が提供するリバースモーゲージが金融機関向けの保証制度であることや、リフォーム資金に限定し個人に対して直接の融資も行なっていることをご理解いただけたと思います。用途の制限はありますが、目的が決まった方であれば低金利で借り入れもできますので一度検討できると良いでしょう。









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