ハウス・リースバックとリバースモーゲージの制度を徹底比較







老後資金の確保方法として、「リバースモーゲージ」の普及と同じように「ハウス・リースバック」という制度も近年注目を集めています。ハウス・リースバックとはリバースモーゲージと何が違うのでしょうか?今回はハウス・リースバックとリバースモーゲージの制度を比較することで、個々に合った老後資金の確保方法をお伝えしたいと思います。

ハウス・リースバックとは


ハウス・リースバックとは、現在お住いの住宅を不動産会社へ売却し、その売却した住宅に賃貸借契約(リース契約)にて継続的に住み続けることができる制度のことを指しています。そのため、リバースモーゲージの金融機関からの借り入れではなく、基本的には住宅売却した売却益で老後資金を確保する方法になります。

ハウス・リースバックの考案企業

2013年に株式会社ハウスドゥが考案した制度になります。そのためハウス・リースバックはハウスドゥ社の登録商標のため、類似する企業の商品は「リースバック」や企業のオリジナルな商品名を使っています。

ハウスドゥの公式サイト:http://www.housedo.co.jp/leaseback/

ハウス・リースバック7つの特徴(メリット)

ハウス・リースバックの特徴(メリット)

  1. 住宅売却後も同じ家に住み続けることができる
  2. 住宅の買取代金が一括で支払いされる
  3. 近隣住民に知られるずに住宅を売却可能
  4. 固定資産税がかからない
  5. 仮住まいを用意する必要がない
  6. 将来的に売却物件の買い戻しが可能
  7. 住宅ローンがあっても利用可能

ハウス・リースバックの特徴①:売却後も同じ家に住み続けることができる

リバースモーゲージもハウス・リースバックもこれまで住み慣れた住宅から引越しをする必要がないため、住環境の変化がなく老後資金の確保ができることは最大のメリットでしょう。

ハウス・リースバックの特徴②:住宅の買取代金を一括で支払いされる

ハウス・リースバックは住宅を売却しますので一括で売却益を支払ってもらうことが可能です。これによって、大きな支出が伴うような問題が起きた場合にも対応ができますし、預金口座が充実するだけでも安心感がありますね。また、買取金額は物件評価額の7割程度かつ500万円以上から買取対象になります。

ハウス・リースバックの特徴③:近隣住民に知られるずに住宅を売却可能

物件の現地調査を行う必要がありますが、基本的には近隣住民の方に住宅を売却したことを知られずに老後資金の確保が可能です。そのため、不要な噂が立たないのも安心要素のひとつでしょう。

ハウス・リースバックの特徴④:固定資産税がかからない

ご自宅を売却している以上、自宅の所有権は不動産会社に移行されます。その大きなメリットとしては固定資産税の支払いが不要になる点が挙げられます。固定資産税分の支出を減らせるだけでも旅行1回分程度に相当しますので大きな支出削減になります。

ハウス・リースバックの特徴⑤:仮住まいを用意する必要もない

居住したままで審査は進みますので一度も引越しをする必要はありません。もちろん、審査中も一時退去するなどの必要がありませんので、仮住まいの用意も不要です。生活環境を変えないことに配慮した仕組みと言えるでしょう。

ハウス・リースバックの特徴⑥:将来的に売却物件の買い戻しが可能

一度売却した住宅に長年住み続けることも可能ですが、買い戻しをすることもできます。そのため、一時的に老後資金が困窮しているが数年で立て直せた場合は買い戻しをすることで再度自己所有の物件にすることが可能です。

ハウス・リースバックの特徴⑦:住宅ローン残債があっても申し込み可能

住宅ローンの返済に困窮しており、生活が苦しい場合などはハウス・リースバックの売却益で住宅ローンを完済させることができます。毎月の住宅ローンの支払いよりもハウス・リースバックの賃料の方が安い場合は、支出を減らすことができますのでメリットが高いでしょう。

その他のハウス・リースバックの特徴(メリット)

老後の生活とは関係ありませんが、ハウス・リースバックを現役世代が活用する場合は、子供の学区は変わらなくて住むという特徴(メリット)も挙げられるでしょう。リバースモーゲージは高齢者向けの制度ですが、ハウス・リースバックは制度の活用に年齢制限がないのでこのようなメリットもあるということです。

ハウス・リースバックとリバースモーゲージの特徴を比較

ハウス・リースバックの仕組みと特徴を解説しましたが、リバースモーゲージとの違いを比較してみましょう。

比較項目ハウス・リースバックリバースモーゲージ
仕組み現在お住いの住宅を売却し、売却した住宅に賃貸で住み続けることができる制度(リース契約)住宅を担保に金融機関から借り入れを行い、返済は債務者死亡後に住宅を売却し返済を行う。そのため、債務者が生きている間の元本の支払いは発生しない
不動産所有者売却先の不動産会社本人のまま
月々の費用売却した住宅の賃料金利
年齢条件なし50歳以上から活用できるケースが多い。(金融機関により異なる)
家族の同居可能配偶者のみ
資金用途原則自由原則自由だか投資用資金などの事業資金は除く
契約終了後住宅の買い戻しが可能住宅を売却し元本及び金利の返済を行う。任意売却により売却益が出た場合は相続人で分配
対象者住宅の所有者高齢者で住宅の所有者
対象物件戸建、マンション、工場戸建(土地・建物)・マンション(一部)
相続人の同意原則不要必須
金融審査なし(住宅を売却するだけなので所得審査などはなし)あり(年金収入など一定の所得条件が必要)

ハウス・リースバックのデメリットも理解しましょう

ここまでハウス・リースバックの仕組みとリバースモーゲージとの比較を行いましたが、非常にメリットの高い制度のように思えます。ただ、ハウス・リースバックにもデメリットがありますのできちんと理解をするようにしましょう。

ハウス・リースバックのデメリット

  • 通常の売却金額よりも買取金額が下がる傾向がある
  • 毎月の家賃支払いが発生する(リース料が高く売却金額の10%程度が毎年の家賃相場)
  • 買い戻しができなければ住宅は手放すか賃料を払い続ける必要がある

通常の売却金額よりも買取金額が下がる傾向がある

ハウス・リースバックを活用する際に不動産会社の査定が行われますが、「情報の非対称性」があることを私たちは理解しなければいけません。不動産会社は不動産のプロであり、売却を検討する方は素人です。そこで、住宅の査定時には査定の根拠に加え、周辺相場と比較して妥当な金額に落ち着ける努力が必要でしょう。ただ、実際に買取金額は相場の7割程度になることは事前に理解をしておくようにしましょう。

毎月の家賃支払いが発生する

住宅の売却後、賃貸(リース契約)として同じ家に住み続けることになりますが、ここで家賃の支払いが発生します。家賃は物件の売却金額の10%程度に設定される傾向があるようです。そのため2500万円で住宅が売却できた場合。毎月の家賃支払いは20万円程度であり、年間の家賃支払いは250万円程度になるでしょう。この賃料が周辺相場よりもやや高くなる傾向があります。

ハウス・リースバックは10年で売却資金が無くなります

上記の計算で毎年250万円の家賃を支払った場合、10年後には家賃の支払い金額が2500万円になります。結果として売却益の全てを家賃に使用することになりますので、その前に住宅の買い戻しをするか、賃貸借契約の更新をしない。という選択が必要になるでしょう。(この場合、引越しをする必要があります。)

買い戻しができなければ住宅は手放すことになる

上記に付随しますが、いざ住宅の買い戻しを行うおうと考え時に、毎月の家賃支払い+住宅の買い戻し資金の手配が必要になります。そのため、多くのまとまった資金が必要になりますので、買い戻しができない場合は家賃を支払い住み続けるか、結局は転居し新たな住宅で現在のハウス・リースバックの賃料よりも安い住宅引っ越す必要が出てくるでしょう。

売却した住宅の買い戻しはやはり”損”が大きい

ハウス・リースバックは売却時に提示される買い戻し金額が未来永劫変わらないため、安心して買い戻しができると言われていますが、仮に10年後に買い戻しをする場合、住宅の経年劣化により資産価値の下がった物件を10年前の価格で買う必要があります。これは非常に”損”が大きいでしょう。ただ、実際に買い戻しを行う例はあまりないようです。

リバースモーゲージの問題点やリスクはこちらをご確認ください。

リバースモーゲージのリスクを徹底解説!長寿化・金利上昇・不動価値下落の3大デメリットと対策方法を理解する!

2017.04.04

ハウス・リースバック・リバースモーゲージはどちらがおすすめか

ハウス・リースバックもリバースモーゲージの一定のリスクやデメリットがあることをご理解頂けたと思います。それでも老後資金の充実に役立つ制度であることは変わりません。そこでハウス・リースバック・リバースモーゲージそれぞれ向いている方をご紹介したいと思います。

ハウス・リースバックが向いている人

老後の計画から選ぶ:ハウス・リースバック

  • 目先の資金難を乗り越えれば、住宅の買い戻し資金を踏まえて目処が立つ方
  • 初回の契約更新以降、転居などにより賃貸借契約の更新予定がない方

目先の資金難が解決できれば立て直しができる

ハウス・リースバックは事業資金としても活用できますし、売却する不動産が自宅だけでなく、工場なども売却できます。そのため、喫緊の資金問題が解決できればまとまった収入を得ることができる場合などは非常に重宝するでしょう。同じような理由に、相続財産が見込める状況にあるなどもハウス・リースバックはおすすめできます。

転居などにより賃貸借契約の更新予定がない方

ハウス・リースバックは定期借家契約になりますので、定められた契約期間まで居住ができる契約になります。そのため、契約を解除することで住み替えを行うことも可能です。従って、子供世帯との同居などを近々検討をしており、それまでのつなぎ資金が必要な場合は、ハウス・リースバックは適していると言えるでしょう。

リバースモーゲージが向いている人

 老後の計画から選ぶ:リバースモーゲージ

  • 老後の生活において10年以上同じ家に住み続けたい方
  • 賃料等の毎月発生する支出を避けたい方

10年以上同じ家に住み続けたい

やはり、これまで生活してきた自宅で暮らし続けたいという方はハウス・リースバックよりもリバースモーゲージの方がオススメでしょう。毎月の賃料負担がリバースモーゲージは金利の支払いだけで済みますので支出も減らすことができます。

賃料等の毎月発生する支出を避けたい方

リバースモーゲージは毎月の支払いが金利のみですので、余っているリバースモーゲージ残高を趣味や学習など有意義な活動にお金を使いたいと言う方は、月々使える金額がリバースモーゲージの方が賃料支払いがない分、余裕があると言えるでしょう。

リバースモーゲージもハウス・リースバックも同じように資金を活用できる

とは言っても、事業資金を除けばハウス・リースバックもリバースモーゲージも老後の生活のために資金を使えることは変わりありません。以下の記事を参考に老後の生活を楽しましょう。

【リバースモーゲージの用途vol.3】子供の結婚で急な支出が必要な場合

2017.04.24

【リバースモーゲージの用途vol.2】定年後も子供の教育資金が必要な場合

2017.04.21

【リバースモーゲージの用途vol.1】老後の学習資金を調達したい場合

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老後の楽しみ方を見つけよう!老後におすすめな趣味26選

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【60歳以上必見】住宅ローン残高はリバースモーゲージで早々に返済すべき!

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ハウス・リースバックが活用できないケース

ハウス・リースバックの活用を本格的に検討されている方に契約ができないケースがあることをお伝えする必要があります。大きく2点あります。

ハウス・リースバックが利用できないケース

  • 住宅の売却益で住宅ローンの完済ができない場合
  • 借地権付きの住宅の場合

売却益だけでは住宅ローンが完済できないケース

住宅ローンの返済が完了していない場合、金融機関はあなたの住宅に抵当権を設定している状態です。この抵当権の解除には住宅ローンの完済が必須事項になります。そのため、ハウス・リースバックの売却益が住宅ローン残高を下回ってしまう場合、抵当権の解除ができないためハウス・リースバックも利用できなくなってしまいます。

借地権付きの住宅にお住いのケース

ハウス・リースバックもリバースモーゲージも同様ですが、自己所有である不動産が対象になります。そのため、借地権付きの住宅の場合はハウス・リースバックも利用できません。

ハウス・リースバックを提供している会社

ここで、ハウス・リースバックの仕組みを考案したハウスドゥの商品と特徴をご紹介したいと思います。

ハウスドゥ4つの特徴

  1. 東証一部上場の優良企業
  2. 賃貸期間(リース契約期間)は1ヶ月〜30年以上も可能
  3. 家賃のディスカウント制度あり
  4. 売却資金の支払いは最短で20日、標準でも40日程度で支払いが可能

ハウスドゥの特徴①:東証一部の上場企業

リバースモーゲージは金融機関が貸し出しを行いますが、ハウス・リースバックは不動産会社と聞いて少し不安になった方もいたのではないでしょうか?ハウス・リースバックを提供しているハウスドゥと言う会社は東証一部に上場している優良企業ですので、情報の開示が義務付けられ管理面も安心です。前述もしましたが、この「ハウス・リースバック」はハウスドゥ社の登録商標になりますので類似の商品を検討する場合は、運営元をしっかりと確認するようにしましょう。

ハウスドゥの特徴②:賃貸期間(リース契約期間)も柔軟に対応

1ヶ月から賃貸契約(リース契約)を行えるのは(契約内容により変動あり)、住み替え需要など柔軟に対応ができますので非常にメリットが高いと言えるでしょう。また、住宅の買い戻しは賃貸契約(リース契約)開始から6ヶ月以降になりますのでその点はご注意ください。

ハウスドゥの特徴③:家賃のディスカウント制度

売却金額の10%が年間の家賃に相当するお話は先ほどさせて頂きましたが、家賃のディスカウント制度というものをハウスドゥ社は提供していますので、上手く交渉し理想的な条件に近づけるように努力しましょう。このあたりのハウス・リースバックのデメリットの解消策も合わせて対応してくれる点は非常に頼もしい企業と言えるでしょう。

ハウスドゥの特徴④:売却資金のスピード支払い

最短20日で売却金額の支払いがされるというのは、通常の借り入れでは到底想像がつかない早さです。老後資金が至急必要な場合、このスピードで対応できるのは非常に助かるのではないでしょうか。これも上場企業のため財務基盤が安定性からできることでしょう。

ハウスドゥの公式サイト:http://www.housedo.co.jp/leaseback/

ハウスドゥ(ハウス・リースバック)契約までの流れ

それではハウスドゥ社にてハウス・リースバックの契約を進めるにはどのような手順が必要になるか解説を行います。

STEP.1まずはお問い合わせまずはハウスドゥ社へお問い合わせを行います
STEP.2ハウスドゥスタッフとの面談ハウス・リースバックの専門の担当者の方と面談ができますので不安なことなど色々相談をしましょう
STEP.3 物件の査定実際に物件の査定に訪れますがこちらの査定費用は無料で対応してくれます。
STEP.4 買取金額・賃料の提示必要書類が揃い次第1週間以内に買取金額と家賃の提示があります。これもスピードが早く安心できるポイントでしょう
STEP.5 STEP1契約成立双方の条件面が合意できれば契約書の締結を行います。
STEP.6不動産売買決済・賃貸開始契約書の締結後、売却資金の振込及び賃料の支払いが始まります。

リバースモーゲージの契約手順はこちらの記事をご確認ください。

リバースモーゲージの申し込み手順と費用を解説

2017.03.21
ハウスドゥの公式サイト:http://www.housedo.co.jp/leaseback/

まとめ

ハウス・リースバックとリバースモーゲージの制度の比較を行いましたが、双方ともにメリットもデメリットもあります。一方で老後資金の確保においては資産運用を行うよりも確実に一定の金額が手に入ることから、自分に合う商品がどちらなのかよく比較検討することをおすすめします。まずは、専門家の意見を聞くことが重要ですので、ハウス・リースバックもリバースモーゲージも問い合わせをするところから始めましょう。









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