【リバースモーゲージの用途vol.3】子供の結婚で急な支出が必要な場合







子供が自立し親元を離れ、一安心した読者の方も多いのではないでしょうか。ただ、自立したと言っても子供に対して支出が無くなったと安心するのはまだ早いかもしれません。その一番大きいで支出に「結婚」があります。

結婚資金の援助が発生しますので、何かとまとまった支出が増えるタイミングでもあります。今回は子供の結婚資金を用途としてリバースモーゲージを活用するケースをお伝えさせていただきます。

木村さん(仮名)60歳男性の場合
同居人:妻60歳 子供の年齢:長女28歳
世帯年収:0万円(すでに定年退職)
住まい:持ち家(東京都練馬区)
住宅ローン支払い:0円(完済済みだが固定資産税の支払いのため毎月2万円を支出に計上)
貯蓄:2,500万円(退職金1500万円を含む)

60歳で定年退職をした木村家の収支状況

木村さんは現在奥様と東京都練馬区の自宅で二人暮らしをしています。木村家ではどのように老後の生活を送っているのか収支を見てみましょう。

項目支出
食費60,000
住居費20,000
水道光熱費15,000
通信費20,000
こづかい10,000
保険料15,000
趣味・娯楽費25,000
被服費10,000
交際費25,000
日用雑費15,000
そのほか20,000
支出合計235,000

定年後の夫婦二人くらいの月間支出は25万円から27万円程度と言われていますので、節約をしつつ生活ができていると言えるでしょう。一方で木村家の場合は、60歳で定年退職をしていますので65歳の年金支給年齢までの5年間を無報酬で生活する必要があります。

木村家の60歳から65歳までの支出

23.5万円×60ヶ月(5年間)=1410万円

貯蓄残高=2,500万円-1410万円=1,090万円

※内300万円は介護等の支出に貯蓄を考えているため老後の生活資金は790万円

木村家の65歳から85歳までの支出

収入:20.8万円(年金収入) 支出:23.5万円 収支:△2.7万円

△2.7万円×240ヶ月(20年間)=648万円の支出

790万円-648万円=142万円が生活資金の残高(貯蓄総額は442万円)

木村家の場合は、85歳まで老後資金の計画を立てており、85歳の老後の貯蓄額は142万円程度になる計算です。万が一の資金である300万円を加えれば、貯蓄の総額は442万円になりますが、不足の自体に備えてこの資金は使用する予定がありません。

決して余裕のある生活ではありませんが、それでも自分たちの老後資金でやりくりができる計算で60歳で定年退職をした木村家ですが、、長女の結婚式で計画が大きく崩れることになります。

長女の結婚。祝儀に援助で100万円近くの支出が発生

ここからが本題ですが、資金計画を立てる時に長女の結婚式の援助を織り込まなかった木村さんは予想外の支出に戸惑います。一人娘なので少しでも援助したい気持ちと自分たちの老後の生活を天秤かけて悩むこととなりました。

ご祝儀と結婚式の費用援助を合わせて100万円程度は出してあげたいという気持ちがありますが、この100万円を支出してしまうと85歳時点で生活資金が42万円しか残らなくなります。

もしもの資金300万円に手を出すか!?

木村さんは「もしもの資金」として蓄えてある300万円から支出することを考えましたが、一歩踏み出すことができません。そもそも、85歳以上長生きをした場合はどうやって暮らしていくのか?未来が見えていない状況で「もしもの資金」に手を出すことは結果的に生活に困窮し娘夫婦に迷惑をかけてしまうケースがあるというのが最大の理由でした。その解決策として木村家はリバースモーゲージの活用に踏み切りました。

結婚資金の用途としてリバースモーゲージの活用を検討する

ここでリバースモーゲージの用途として、結婚資金や生活資金に活用する方法をお伝えできればと思います。リバースモーゲージで借り入れした資金は金融機関の条件により多少異なりますが、資金用途が「自由」というケースが多くあります。そのため、木村家のように結婚資金の援助に当てることも、余った借り入れ金額を生活資金に活用することも可能です。

なぜ木村家はリバースモーゲージを活用したのか?

木村家がリバースモーゲージし、老後資金問題を解決できることは理解できたと思いますが、なぜ木村家はリバースモーゲージの活用を決めたのかをみてみましょう。

  • 一人娘のため、住宅を相続させる必要がない
  • 所有している物件が東京都練馬区のため、資産価値が高い

一人娘の長女が嫁ぐため、住宅を相続する人がいない

今回の木村家の場合、一人娘のため住宅を相続する意思がある親族が配偶者以外にいない。というのもポイントです。通常リバースモーゲージは相続人全員の承認が必要ですが、今回の場合はその承認が比較的得られやすいと考えられます。

東京都練馬区は不動産の資産価値が高い

現在居住している住宅は東京都練馬区の一軒家(土地・建物)という木村家の場合、不動産の評価額も一定の水準で評価をしてもらえる可能性が高いでしょう。金融機関は債務者が死亡した後に担保にしている住宅を活用し、資金の回収を行いますので、当然ながら資産価値の高い不動産の方が借り入れがしやすいでしょう。 

地方在住者もリバースモーゲージの活用は可能

都心部しかリバースモーゲージは活用できないのか?という疑問を持つ読者もいるかもしれませんが、地方でも地銀を中心にリバースモーゲージを提供しています。また、都心部よりも土地が広いケースもありますので借り入れができないと諦めるのではなく一度金融機関に相談することをおすすめします。

老後資金に誤算が生まれた時の救世主としてリバースモーゲージを活用

今回の木村家は、長女の結婚資金を老後のシミュレーションに含めていなかったことが誤算でした。ただ、これは結婚式の援助だけの話ではありません。

重たい病気や怪我、介護、旅行、法改正など未来を考えると想定できないような支出は当然のように発生します。その際に、安易に貯蓄を切り崩してしまうよりもリバースモーゲージを活用し老後資金を充実させることは貴重な選択肢になるでしょう。









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老後資金の教科書

老後資金の教科書は老後の生活をより豊かにするために、金融や老後に関する法改正などを中心に解説記事を掲載しています。 リバースモーゲージ、介護保険問題、年金カット法案、高額医療費の自己負担の増加など難しい制度を分かりやすくご紹介します。