武蔵野銀行は、埼玉県に本店を構える地方銀行で「むさしのリバースモーゲージ」の愛称でリバースモーゲージの提供を行なっています。埼玉県を対象エリアにリバースモーゲージの提供を行なっていますが、首都圏は競合銀行も多いことから優位性がどのあたりあるのか確認したいと思います。
目次
武蔵野銀行の「むさしのリバースモーゲージ」の概要
武蔵野銀行が提供する「むさしのリバースモーゲージ」の商品概要を公式サイトより重要箇所を抜粋しお伝えしたいと思います。金利は本情報の公開日現在となりますので最新の情報はお問い合わせをお願いします。
利用年齢 | 申し込み時の年齢が55歳以上80歳未満の方(80歳の誕生日以降は新規の借り入れ不可) |
所得条件 | 年金収入等安定した収入が見込める方 |
担保住宅 | 戸建(土地、建物) |
資金使途 | 原則自由 |
融資極度額 | 100万円以上3000万円以下で土地評価額の50%を上限とする |
融資極度額の見直し | 年1回の見直しが発生する |
金利 | 3.25%(短期プライムレート + 1.4%(変動金利)) |
返済方法 | 契約者死亡後に住宅の売却にて一括返済 |
保証人 | 原則不要であり朝日信託と信託契約の締結を行う |
事務手数料 | 条件変更5400円、その他朝日信託との事務手数料等発生 |
対象地域 | 埼玉県 |
金利3.25%は埼玉県では高い
地方銀行のリバースモーゲージの金利が3.475%に設定している金融機関が多い傾向にあります。その点では武蔵野銀行は金利を抑える努力をしていると言えますが、やはり埼玉県はメガバンクを中心に比較できる金融機関が16銀行もあります。そのため銀行の立場で考えれば競争激化と言える状況でしょう。
埼玉県をリバースモーゲージの対象にする銀行金利を比較
それでは、埼玉県をリバースモーゲージの対象にしているみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、東京スター銀行、群馬銀行の6銀行の金利を比較したいと思います。
銀行名 | 金利 | 資金使徒 |
武蔵野銀行 | 3.250% | 自由 |
東京スター銀行 | 2.906% | 自由 |
三井住友銀行 | 2.975% | 自由 |
三菱東京UFJ銀行 | 2.975% | 制限あり |
みずほ銀行 | 2.975% | 制限あり(自由は金利3.475%) |
群馬銀行 | 3.475% | 自由 |
武蔵野銀行は同じく地方銀行である群馬銀行よりも金利は抑えてありますが、やはり大手バンクの2.975%の水準まで下げることは難しいのかもしれません。そして、金利面ではどの銀行よりもおすすめしたいのが東京スター銀行です。2.906%という金利に加え預金連動型のため実際に引き落としをした分にしか金利が発生しないというメリットがありますので非常におすすめの銀行と言えます。
契約の引き継ぎができるので配偶者の不安は解消できる
契約者が死亡した場合に配偶者へリバースモーゲージの契約を引き継ぐことができる点はメリットと言えます。こちらも東京スター銀行やみずほ銀行なども契約の引き継ぎが出来ることから大きな差別化要素にはなりませんが、それでも長年武蔵野銀行を使っている方からすると安心して利用ができるという点で選ばれるケースがあるでしょう。
配偶者との共有名義でもリバースモーゲージの活用ができる
以前、リバースモーゲージと共有名義|適用される範囲と名義の解除を解説でお伝えしましたが、武蔵野銀行の「むさしのリバースモーゲージ」は配偶者の共有名義でも申し込み可能となっております。共有名義はリバースモーゲージの場合認められていない金融機関もあるため重宝するでしょう。
80歳以降は新規の貸付が出来ないので注意が必要
武蔵野銀行の「むさしのリバースモーゲージ」は80歳未満まで申し込みはできますが、80歳以降の新規の貸付は出来ない制度になっています。そのため79歳で申し込みした場合は新規の貸付期間が1年のみとなる点は注意しましょう。とは言え早く申し込みを行い借り入れしても金利の支払いが増えてしまうので、リバースモーゲージを活用するタイミングが非常に重要になる商品となっています。
成年後見人制度を活用した場合も借り入れができなくなる
成年後見人制度については、老後の孤独は交流を増やし成年後見制度を活用することが重要にて解説を行なっておりますが、意思判断が出来なくなったシニアに変わって重要な契約事項などを遂行する代理人のことを指しています。この成年後見人を活用すると武蔵野銀行のリバースモーゲージの活用ができなくなることは注意が必要と言えます。
契約は5年単位であることにも注意が必要
通常のリバースモーゲージは毎年契約更新を行う金融機関が多いのですが、武蔵野銀行の「むさしのリバースモーゲージ」は5年単位での契約更新になります。不動産評価額の見直しは毎年行われますので土地評価額が下降トレンドで早々に住宅を売却しリバースモーゲージの契約を解約した方がメリットがあるという場合でも5年間の更新を待たなくてはいけないのはデメリットと言えます。
武蔵野銀行のリバースモーゲージはメリットがあるのか?
ここまで武蔵野銀行の「むさしのリバースモーゲージ」について解説を行いましたが、ややデメリットの側面が多いように見受けられました。商品設計自体は地方銀行としては十分に努力しているのだろうと思いますが、埼玉県は様々な金融機関が独自性のあるリバースモーゲージを提供しているため見劣りしているのが現状です。それでも武蔵野銀行の「むさしのリバースモーゲージ」を活用してもメリットがある方をお伝えします。
- 長年武蔵野銀行を活用しており信頼のできる金融機関だと感じている方
- 個別での特別金利など優遇が得られる方
武蔵野銀行を活用しており信頼のできる金融機関だと感じている方
リバースモーゲージは長期に渡る契約であり、契約者が亡くなっても配偶者が引き続き契約を続けることから信頼のおける銀行と契約したいものです。地方銀行の魅力はメガバンクとは異なり個別のサービスが充実しているケースがありますので、満足度の高い銀行だと感じている方はリバースモーゲージの契約を依頼しても良いでしょう。
個別での特別金利など優遇が得られる方
これは実際に存在するのか。という点で不確かです。ただ長年付き合いがあればお得意様として優遇される可能性もあるかもしれません。あくまで可能性でしかありませんが、他の金融機関程度に条件が緩和されるのであれば十分に利用価値の高い商品ですのでまずは窓口に相談することをおすすめします。
まとめ
武蔵野銀行の「むさしのリバースモーゲージ」について解説を行いました。競合金融機関とやや目劣りしてしまう側面もありますが、単純な条件だけでも決まられないのも事実でしょう。そのため、始めから除外するではなくまずは金融機関とじっくりと話すことをおすすめしたいと思います。