リバースモーゲージは推定相続人の承諾をどこまで得る必要があるのか?







リバースモーゲージの契約条件には「推定相続人全員の承諾を得る必要がある」と明記している金融機関が大半です。この相続人には法定相続人と推定相続人という言葉が存在しますが、この違いについて正しく理解すると共に、どこまで親族の承諾を得る必要があるのか解説を行いたいと思います。

推定相続人と法定相続人の違い

推定相続人と法定相続人は似てるようで、実は意味が異なります。簡単に分かりやすく説明をすると以下のような違いがあります。被相続人が生きているかいないかの違いと理解をすると分かりやすいと考えられます。リバースモーゲージの場合は、「推定相続人全員の承諾が必要」と記載があるのは、お借り入れしようとするあなたがまだ生きていることから「推定相続人」という言葉を使っていることになります。

推定相続人被相続人が死亡していない前提で推定される相続人を指す
法定相続人被相続人が死亡し、事実上相続する人を指す

リバースモーゲージの条件に相続人の承諾を得る必要がある理由

リバースモーゲージは、住宅を担保に金融機関から借り入れを行います。その際に、返済は債務者が死亡後となりますので、実際に債務者が住宅の処理を行い金融機関に返済をすることはできないのです。

そこで、この住宅を相続する予定である推定相続人が、住宅の売却や代物返済を行い借入金の返済を行います。その際に、その処理をする予定の方が何も知らなかった。では後々トラブルの原因になることから「推定相続人の承諾が必要」と言われています。

リバースモーゲージは第3順位までの相続を得る必要がある

この推定相続人は順位が決められております、その順位に応じて資産が相続されますが、配偶者は必ず相続対象となり、その後は、第一順位から第三順位まで順番に相続することができます。

 相続順位推定相続人
常に相続する配偶者
第一順位被相続人の子供、孫、ひ孫
第二順位被相続人の親、祖父母
第三順位被相続人の兄弟姉妹、甥、姪

相続順位を図解

 法定相続分の一覧

各相続人の取り分を定めた基準を「法定相続分」といいます。遺言などがあれば遺言に記載された内容が尊重されますが、遺言がない場合は、この「法定相続分」を基準に分配をしますので把握をするようにしておきましょう。

配偶者相続人+血族相続人相続人の組み合わせ法定相続分
配偶者と子配偶者1/2 子1/2
配偶者と直系尊属(父母、祖父母)配偶者2/3 直系尊属1/3
配偶者と兄弟姉妹配偶者3/4 兄弟姉妹1/4
      配偶者のみ配偶者が全てを相続する
血族相続人のみ子のみ子供が全てを相続する
直系尊属のみ直系尊属が全てを相続する
兄弟姉妹のみ兄弟姉妹が全てを相続する

リバースモーゲージの承諾が必要な範囲を事例で紹介

それでは、リバースモーゲージを活用する際にどこまでの承諾が必要になるのか事例を通じてご紹介したいと思います。以下の表のようなケースでリバースモーゲージを活用したい場合は、推定相続人の承諾は「配偶者、子、孫、兄弟姉妹、甥、姪」となり、この親族全員に承諾を得る必要が出てきます。

既に死亡している親族被相続人の祖父母、父母
まだ産まれていない親族ひ孫
推定相続人被相続人の配偶者、子、孫、兄弟姉妹、甥、姪


事例の推定相続人を図解

推定相続人が未成年者の場合

被相続人の子供が未成年の場合は、利益相反行為にならないように家庭裁判所で法定代理人を選任する必要がありますが、リバースモーゲージを活用する場合の多くは子供が成人している方が多いでしょう。今回の事例も既に孫がいる前提になりますので、仮に孫が未成年の場合は、親である被相続人の子が孫の法定代理人となり承諾をすることは可能です。

推定相続人の承諾が不要な金融機関もある

ここまで、推定相続人について解説を行いましたが、やはり、推定相続人全員の承諾を得るのは結構な手間でしょう。そこで推定相続人の承諾が不要でリバースモーゲージの契約を行うことができる東京スター銀行についてご紹介をしたいと思います。

東京スター銀行「充実生活」のポイント

東京スター銀行はリバースモーゲージの取り扱いとしては非常に大手であり、サービスが充実していることが特徴で挙げられます。推定相続人の承諾が不要であること以外にも、金利面や担保物件などリバースモーゲージのリスクと呼ばれる部分にも生活者が使いやすい制度になるように設計がされています。

東京スター銀行のリバースモーゲージのポイント

  • 推定相続人の承諾が必要ないため手続きが楽
  • 金利は引き落とした分のみ発生する「預金連動型」
  • 住宅の担保は戸建のみならずマンションも可能

リバースモーゲージと相続の関係

リバースモーゲージの契約において被相続人と推定相続人の関係について解説を行いましたが、実際に被相続人が亡くなり相続を行う時に、「配偶者はそのまま相続することができるのか」、「マイナス財産が多く相続放棄したい」という問題に直面する可能性があります。そこでこの2つのパターンについて簡単に解説を行います。

リバースモーゲージは配偶者が相続することもできる

債務者がお亡くなりになった後に、借り入れ金額がまだ融資極度額に達していない場合はリバースモーゲージを相続し引き続き現在の住宅に住み続けることができる商品があります。

この際、住宅を相続することになりますので、配偶者の特例を活用し財産を相続するようにしましょう。相続に関する詳しい解説はこちらをご確認ください。

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リバースモーゲージの相続税は借り入れ金と相殺できる

また、リバースモーゲージを相続する場合は相続税が発生しますが、これは借り入れ金の差分にしか発生はしません。具体例を挙げてみましょう。

リバースモーゲージと相続税の具体例

リバースモーゲージを活用し1500万円を借り入れしたとします。この担保の住宅を2000万円で売却することが出来た場合、相続税は売却益の500万円のみに発生するので、売却益2000万円全額には相続税が発生しません。

リバースモーゲージは相続放棄することも可能?

リバースモーゲージの借入金の返済に住宅を売却しますが、この際に、想定した金額よりも住宅の売却益が低かった場合、不足する分を相続人が現金で返済する必要が出てきます。

このため、マイナス財産として相続されるのですが、これを法定相続人は相続放棄することが可能です。リバースモーゲージの借り入れ金だけでなく、その他、プラスの財産とのバランスで判断するようにしましょう。

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まとめ

リバースモーゲージは推定相続人全員の承諾が必要になることから少々手間もありますが、大切な相続財産であり、債務者が死亡した後に住宅の処理を行う相続人のことも考えると、承諾不要である東京スター銀行のリバースモーゲージでも事前に連絡をいれる配慮は行うようにしましょう。









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