リバースモーゲージと財産分与|離婚時の担保住宅の扱いを解説







あまり考えたくはないことかもしれませんが、熟年離婚という言葉あるように、平成26年(2014)人口動態統計(確定数)の概況を確認すると60歳以上で離婚をする方は年間1.3万人程度になるようです。決して他人事ではない熟年離婚ですが、リバースモーゲージを活用した際に、離婚となった場合、財産分与はどのような分け方になるのか解説を行います。

財産分与の基本的な考え方

財産分与とは、結婚生活中に夫婦で築き上げた財産を貢献度に応じて分配する仕組みを指しており、結婚生活中に購入した住宅、車、保険から貯金まで様々な物が含まれます。一般的には妻が専業主婦であったとしても1/2することが基本的な考え方です。

加えて、家計が所有するものは財産と負債に分けられますが、財産は折半であり、負債はそもそも分配する財産がないということになりますので財産分与の対象外となります。リバースモーゲージの借入金も負債になりますので、この点についてどのような扱いになるのかケーススタディを含めてご紹介します。

リバースモーゲージの担保住宅がプラスで売却できる場合

仮に1000万円をリバースモーゲージで借り入れを行なった場合に、売却益が1500万円だったとします。この場合、1000万円は金融機関に現金返済を行い、リバースモーゲージの契約を解除し、売却益の500万円を夫婦で折半しますので一人あたり250万円ずつ分配されることになります。

リバースモーゲージの担保住宅がマイナスでしか売却できない場合

貯金などの資産が無い前提で、リバースモーゲージで借り入れた1000万円の融資額を住宅の売却で返済しようとしたが500万円でしか売却できずマイナスになってしまう場合は、先ほどのように負債を折半することはできません。この場合は、財産分与できる資産が無い。という扱いになりますで財産分与の対象外となります。

また、リバースモーゲージの契約解除には全額を返済することが絶対条件になりますので、負債が出てしまい残債を支払うことができなければリバースモーゲージ自体の契約も解除することはできません。 

結婚後の貯蓄でリバースモーゲージの借入金を返済する場合

住宅の売却では無く、結婚後に夫婦共同で蓄えた貯金でリバースモーゲージの借入金を返済することも可能です。この場合、先ほどの1000万円の借入金を現金で返済し、残った預貯金があればこれを折半するかたちとなります。また、現金資産を増やすために保険解約返戻金を活用するなども可能です。

現金返済の場合は、住宅に継続的に住むことが可能

リバースモーゲージは借入金の返済によって契約を解除することが出来ることをご理解頂けたと思います。先ほどご紹介した住宅の売却では無く、現金での返済を行なった場合は、引き続き住宅に住むことが可能ですが、財産分与の取り扱いはどのようになるのか解説を行います。

継続的に住み続ける場合の財産分与

継続的に住み続ける場合は、住宅に住み続ける人が家を出て行く人に対して、現在の不動産評価額によって得られる想定売却益の半額を現金で支払うケースが一般的です。仮に1000万円で住宅の売却が可能な場合は、500万円の現金を渡すということです。

ただ、リバースモーゲージの返済額1000万円であることに加え、家を出て行く方に500万円の支払いを行いますのでトータルで1500万円の支出発生します。そのため、余程現金に余裕がなければこのような対応ができるケースは希でしょう。それでは、想定売却益の支払いができない場合どのような対応ができるのか確認してみましょう。

想定売却益の支払いが出来ない場合

これは分割での支払いを約束するために公正証書を作成するなどして、公的に支払いの約束をさせる手続きが必要になります。住み続けることを選択した方は、この500万円という費用を毎月支払い続ける必要があるため、かなりの支出となるでしょう。そのため、売却してしまう方が負担が少ないことからおすすめと言えます。

継続的に住むのが配偶者の場合は名義人変更が必要

世帯主の名義で購入した住宅に離婚後の配偶者が住み続ける場合は、名義人変更が必要になります。

リバースモーゲージの名義人が継続して引き受ける場合

リバースモーゲージは一般的に住宅の名義人が契約をすることとなります。この住宅に関する財産もしくは負債を含めて名義人が引き受ける場合は、プラスの資産となれば、プラス分を配偶者に折半して現金支払いを行い、負債になった場合は財産分与の対象外となるケースが一般的です。

リバースモーゲージの融資額は5割から7割程度

リバースモーゲージは担保にする住宅の不動産評価額に対して、5割から7割程度が融資極度額として設定されます。したっがって大きな不動産価値の下落がなければプラスの資産として判断されることが多いでしょう。そのため、評価額から借入金を引いたプラス分を配偶者に現金で支払う必要性が出ると考えられます。

リバースモーゲージにおける財産分与の手順

リバースモーゲージにおける財産分与を進めるための手順を解説します。大きく流れは3つのステップになりますので順に確認を行いましょう。

財産分与の手順

  1. 財産分与について夫婦内で協議
  2. 不動産評価額の算出
  3. リバースモーゲージの借入金の返済

財産分与について夫婦内での協議

まずは、夫婦間で話ができる状態であれば、直接話し合いを行いましょう。この話が出来ない状態であれば調停や裁判となります。ここでの協議事項は、リバースモーゲージの返済方法が中心になるでしょう。住宅を売却し返済をするのか、それとも現金なのか。その後誰が住み続けるのか。など今後の暮らしを中心に話し合いを行うようにしましょう。

不動産評価額の算出

次に売却でも現金返済でも不動産の評価額を調べる必要があります。この場合は、不動産鑑定士などを活用し正確な金額を計算することが望ましいでしょう。また、リバースモーゲージを契約した金融機関に相談し、契約時に調査を依頼した会社などの紹介を受ける手もあるでしょう。

リバースモーゲージの借入金の返済

最後に、リバースモーゲージの借入金の返済を行い、契約を解除します。その後の流れについては一般的な財産分与の手順に沿って行うことで問題はありません。

まとめ

リバースモーゲージ契約後の財産分与について解説を行いました。離婚時はリバースモーゲージ以外でも手続き等々大変な時期ですので、法律の専門家と相談しながら契約関係を取りまとめることが理想です。また、住宅の扱いは大きなお金が関係しますので離婚とは言え、夫婦でよく相談するようにしましょう。









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