リバースモーゲージの根抵当権って一体なに?抵当権との違いを解説!







「抵当権」と「根抵当権」。とても良く似た言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。両者の違いを平易な言葉が解説とするとともに、リバースモーゲージにおける根抵当権の位置づけを解説します。

「担保」と「抵当権」は何が違うのか?

「担保」という言葉があります。お金の借り手が借入をするにあたり、万が一返済できないときに引き渡すもの。担保の対象となるのはその個人が有している証券などの場合もありますが、担保といえば不動産(土地や建物)が代表的です。言葉は悪いのですが、お金を借りるにあたっての「人質」のようなもの。金融機関においては、ほとんどの場合、この担保がないとお金を借りることができないとされています。

「老後資金の教科書」では、リバースモーゲージの記事で、老後資金を借りる際に引き渡す居住用物件に担保を設定する・・として、この言葉が出てきました。
この担保を設定するにあたり、金融機関などのお金を貸す側がお金を借りる個人に対して有する権利を「抵当権」といいます。抵当権は物件に対してかけます。会話のなかで「その物件は抵当が入っていて・・・」とやり取りをすることがありますが、この意味は「その物件には抵当権が設定されていて」という意味です。

抵当権と根抵当権の違い

この会話の場合、担保と抵当(抵当権)は同じ意味で使われています。ただし厳密には、抵当権と「根抵当権」というものがあり、その意味はまったく異なります。合わせて確認します。

抵当権とは、対象の物件が引き渡される際に、他の債権者に優先して物件の所有権を受ける権利です。一番手だけではなく、「第1抵当権」「第2抵当権」と順位立てて設定されるものです。〇月〇日に貸し付けた1,000万円の担保として、対象の不動産物件を決めて抵当権を設定します。この1,000万円の返済が無事に完了すると、対象物件を引き渡す権利も消滅します。これを「抵当権の抹消」といいます。

根抵当権とは、これに対し、「借り手と貸し手のあいだで継続的に発生する借入事例の担保」です。不動産が対象となることは抵当権と変わらないのですが、こちらは不動産側に「上限○○円」の上限値をつけて、そのなかで貸し借りが継続します。そのため、1件の貸し借りの返済が終了しても、根抵当権は消えません。根抵当権を消すには、根抵当権そのものの抹消手続きをする必要があります。

根抵当権は、何のためにあるのか。

金融機関と何度も取引をしているお得意様のあいだでは、借入金が起こる度に都度、抵当権の指定をし、権利を設定していては費用もかかり、かつ時間もかかります。ひとつの土地で複数の債務を担保するケースもあるでしょう。その時に活用できるのが根抵当権です。

不動産側に汎用性の広い担保を設定することによって、「いつでも抵当を設定できるようにする」考え方が誕生しました。根抵当権では、債権者ー債務者の関係のほかに、第三者の生じた債権の担保とすることができます。このときの第三者を「物上保証人」といいます。

根抵当権のメリット・デメリット

根抵当権のメリットとデメリットについて考えてみましょう。

根抵当権のメリット

  • 都度抵当を設定しなくていい
  • 登記情報に掲載されるため、金融機関の信頼を得ている「証明」になる

根抵当権のデメリット

  • 抵当権ではあることは変わりないため、売買の際にネックになる
  • 登記情報に掲載されるため、第三者に知られる

根抵当権のメリットは複数の債券の担保に設定できることです。土地に設定した上限額の範囲内では、評価額まで債権を積み重ねることができます。これはお金の借り手にとって大きなメリットです。

所有する物件にどのような抵当権は入っているかを表記する「登記情報」というものがあります。

この「登記情報を入手できる」というのは、メリットでもありデメリットでもあります。登記情報に掲載されるため、金融機関の審査を受けている「証明」になります。

一方で、登記情報に記載されることは「デメリット」にもなります。第三者に知られることで、「借入金の担保」という情報が公開されてしまいます。かつ基本的に抵当権に入っている土地や建物は不動産売買をすることができないため、売買においてはネックとなってしまいます。

 この登記情報には土地や建物の所有者、住所などが明記されるのですが、ここに抵当権も記載されます。この登記情報は、発行費用を払うと誰でも入手することができます。

リバースモーゲージにおける根抵当権

リバースモーゲージと根抵当権の関係は、担保という意味で基本的に通常の抵当権と同一です。ただ、根抵当権は複数債権の担保とすることが可能なので、居住用住宅に根抵当権を設定した場合は、追加でほかの借入金の担保とすることもできます。もちろん、その場合は抵当権を設定できるかではなく、「借入金を返済できるか」で考えるようにしてください。

金融機関にとって、既に抵当権が設定されている物件はリバースモーゲージの対象外となる場合も多いです。物件が仮に対象として審査されるとしても、5,000万円の担保評価額を持ち根抵当権の設定をされている不動産に、既に3,000万円の抵当権が設定されている場合、その物件をリバースモーゲージの対象としたところで、借りられる融資極度額は2,000万円を上限に、金融機関が適切と判断した額(多くの場合は7割程度)となります。

 既に担保が設定されている物件をリバースモーゲージの対象とすることを「嫌がる」金融機関も多いため、「根抵当権だから大丈夫」と考えるのはお勧めではありません。

既に根抵当権が設定されている場合は、一度その根抵当権を抹消してから、抵当権のない状態にしてリバースモーゲージの対象として検討するのもひとつの方法です。

まとめ

根抵当権と抵当権の違いをご説明しました。リバースモーゲージは知名度が上がっていますが、これらの権利はなじみがなく、かつ法律用語でとっつきにくいもの。専門家などに相談して、いま自身の所有している物件にどのような権利がついているのか、把握することが大切です。









ABOUTこの記事をかいた人

工藤 崇

株式会社FP-MYS代表取締役社長兼CEO。ファイナンシャルプランニング(FP)を通じて、Fintech領域のリテラシーを上げたいとお考えの個人、 FP領域を活用して、Fintechビジネスを開始、発展させたいとする法人のアドバイザーやプロダクトの受注を請け負っている。Fintechベンチャー集積拠点Finolab(フィノラボ)入居企業。執筆実績多数。東京都千代田区大手町。