リバースモーゲージと共有名義|適用される範囲と名義の解除を解説







リバースモーゲージの契約を行う際に不動産の名義を確認する必要があります。この際、「共有名義」で配偶者以外の方が名義に含まれている場合は注意が必要です。今回は、リバースモーゲージを活用する際に注意しなくてはいけない「共有名義」について解説を行います。

共有名義と共有持分とは

共有名義を理解する際に、共有持分も合わせて理解するようにしましょう。まず、共有持分ですが、不動産購入時に複数人で資金を出し合った場合などにその該当する不動産持分割合を示すものです。

具体的には、6,000万円の不動産を購入する際に、あなた1人では購入することができず、あなたが3,000万円、妻が1,500万円、あなたのお父様が1,500万円という割合で資金を出したとしましょう。

この場合の共有持分は、あなたが50%、妻とお父様がそれぞれ25%ずつという形になります。この割合を示しているのが共有持分です。また、共有名義とは、共有持分の名義を指しますので、あなた、妻、お父様が共有名義になります。

リバースモーゲージが活用できる共有名義の範囲とは

リバースモーゲージの貸付条件には「本人または配偶者の共有名義であること」が条件に加えられているケースが大半です。先ほどの例ですと、お父様も名義に含まれますのでリバースモーゲージの条件に該当しないということになってしまいます。

リバースモーゲージの共有名義はなぜ配偶者のみなのか

リバースモーゲージは不動産を担保に老後資金の借り入れを行いますが、この際「共有名義」に配偶者以外の方がいるとなぜリバースモーゲージを活用することはできないのでしょう?これは、担保対象が不動産であり、共有持分に合わせて分割することができないためです。

先ほどの例の場合、お父様が保有する25%分だけを対象外にする。というのはなかなか想像がつきませんね。土地のどこをどのように区切るのか?などトラブルにも発展する可能性があるでしょう。

加えて、このような土地を債務者が死亡した際に、売却しようとしても、共有名義人の承諾が必要になりますし、そもそも、承諾を得られても非常に取り扱いが難しい土地になってしまいます。

共有名義人が第三者ということもあるのです。
先ほどの例では、あなたのお父様と仮定したので、話せば理解してもらえる。と考えるかもしれませんが、共有名義人は親族である必要はないので、見ず知らずの第三者が共有名義人になる可能性があります。(お父様が誰かに売却や競売にかけるなど)このようにコントロールできないリスクがあるため配偶者のみとなっています。

リバースモーゲージを活用する場合は共有名義の解除が必要

共有名義に本人、配偶者以外の方がいる場合、リバースモーゲージの活用ができないことはご理解頂けたと思いますが、それでもリバースモーゲージを活用する必要がある場合は、「共有名義の解除」を行います。

不動産は非常に高価な資産ですので、携帯電話のようにちょっと名義人を変更する。みたいなことはできません。基本的には不動産の譲渡方法は、「売買」「贈与」「相続」のみになります。この場合は相続税などの知識も必要になりますので、事前に基礎知識を抑えておくようしましょう。それでは具体的な共有名義の解除について解説します。

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共有名義の解除方法

大きく2つの方法があります。

  • 本人、配偶者以外の共有持分を買い取る
  • お父様など親族の場合は、贈与または相続してもらう

買取の場合は、市場の適正価格に応じて買取金額を算出し買取を行います。贈与、相続の場合はそれぞれ贈与税、相続税の支払いを行う必要があります。双方ともに一定の支出が発生してしまいます。加えて「登記の変更」などの費用も発生しますので一定の支出を覚悟する必要はあるでしょう。

共有名義を解除する側に抵当権やローンが残っている場合は注意
共有名義の解除を行う際に、解除される側に抵当権が設定されていたり、ローンが残っている場合は、全額返済を行う必要があります。そのため、共有名義を解除される側の状態もよく確認するようにしましょう。

老後の生活が困窮する前に早めに共有名義の解除を行いましょう

先ほどお伝えしたように共有名義の解除には一定の支出が伴います。そのため、定年し退職金が支給されたなど、比較的資金に余裕があるタイミングで共有名義の解除を行った方が良いでしょう。本当に生活が困窮したタイミングでは、共有名義の解除を行う費用も捻出できなくなるケースもあります。

共有名義解除の具体例

親(父)が含まれる自宅の共有名義を買い取る場合
父の共有持分比率は25%になり、この持分を将来リバースモーゲージ等で活用しやすくするために買取しようと考えました。買取金額や契約条件(支払いや利子)なども記載した契約書も作成。事実上、分割で父から共有持分を買い取る契約となっています。

毎月親の口座に元金と利子の支払いを続けることで親にも現金を渡すことができますし、相談人も共有名義の解除ができることから双方にとって良い選択となりました。分割での購入が終わるころに、本人のみの名義となった住宅を担保にリバースモーゲージを活用することで、再度老後資金の借り入れを実現。当面の生活費にはこまらず老後の生活が送ることができている。

共有名義の解除は司法書士に相談するのがベター

上記の例のように共有名義の解除を行いたいと考えた時は、司法書士に相談するのがベターでしょう。ご自身で勉強すればできなくはありませんが、法律面や役所の手続きなどミスがあると書類の再作成や税務署などから指摘が入るなどトラブルが発生する可能性がありますので司法書士への依頼が一番確実であると言えます。

まとめ

リバースモーゲージの活用には名義の確認が必要であることはご理解頂けたと思います。現在のお住いの住宅が親からの資金援助などで共有名義の扱いになっている方はなるべく早くその解除を行うことがおすすめです。

ただ、これはリバースモーゲージを活用するなら。という前提であることもご理解ください。 住宅を売却することを考えている方は、特別控除が増加するなどのメリットもありますので複数の選択肢から選ぶ必要があるでしょう。 それでも、リバースモーゲージは住み慣れた土地から離れる必要がないため老後の生活を安定させる選択であることも事実です。









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