リバースモーゲージと相続の関係性!法定相続人とトラブルが起きないように対処すべき事前承認と相続放棄を解説







リバースモーゲージには相続人全員の承認を得る必要があるというのは、契約条件の1つとして多くの金融機関が設定しています。これは一体なぜなのでしょうか。今回はリバースモーゲージと相続及び法定相続人の関係性について解説をします。

リバースモーゲージの契約に相続人全員の事前承認が必要な理由

リバースモーゲージには3大リスクと呼ばれる長寿化、不動産価値の下落、金利上昇が有名ですが、加えて「相続人全員の承認を必要とする」デメリットもあります。これには、法定相続人とのトラブルを避けることが目的にあります。

 

  • 土地や建物を相続人が相続するつもりだったが、リバースモーゲージの担保対象となり相続することができないケースがある
  • 債務者死亡後に相続人が相続する場合に、担保物件の評価額が低下し相続人が借金を背負うケースがあるため

このように、リバースモーゲージは残された家族にも影響を及ぼすため、相続人全員の承認が必要とされています。

法定相続人とは

それでは、法廷相続人とはどのこまでの親族を指すのでしょうか?
必ず相続人となるのは「配偶者」であり、そこから「子供」、「父母・祖父母」、「兄弟姉妹」と続きます。この場合に遺産を受け取れる順位があり、上記に記載した順番に基本的には配分がされていきます。

返済額が融資額を上回ってしまった場合に相続放棄の選択肢がある

リバースモーゲージは、契約者死亡後に担保物件を金融機関に明け渡す必要がありますが、その際に融資額とその時の物件の評価額を算出した結果、返済額が上回ってしまうケースがあります。これによって相続人は不足する金額を金融機関に返済する必要が出てきます。その際に「相続放棄」をすることで、返済義務を免れることが可能です。

相続放棄とは

相続放棄とは、相続人が被相続人(相続人が相続する財産の所有者)から相続できる財産を放棄することを指しています。リバースモーゲージのリスクにより融資額が返済額を上回り、かつそれ以外の財産を相続しても返済額が上回る場合に相続放棄を検討する流れとなります。

相続放棄の手続き

 

手続き1:相続放棄の申述書を作成する
手続き2:家庭裁判所へ相続放棄の申立てを行う
手続き3:家庭裁判所から受理通知書が届き完了となる

相続放棄の詳しい概要

ここでは、裁判所が公表している情報を元に、相続人が被相続人の相続財産すべてを放棄する場合の内容を記載いたします。

申述できる期間申述は,民法により自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内
申請先最寄りの家庭裁判所
申述に関する費用800円/申述人+切手代
申述に必要な書類(共通)相続放棄の申述書
標準的な申立添付書類
被相続人の住民票除票又は戸籍附票
申述人(放棄する方)の戸籍謄本
申述に必要な書類(配偶者)被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
申述に必要な書類(第一順位相続人)被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
 申述人が代襲相続人(孫,ひ孫等)の場合,被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
 申述に必要な書類(第二順位相続人)   被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
 被相続人の直系尊属に死亡している方(相続人より下の代の直系尊属に限る(例:相続人が祖母の場合,父母))がいらっしゃる場合,その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
 申述に必要な書類(第三順位相続人)    被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)
 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
 被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
 申述人が代襲相続人(おい,めい)の場合,被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
 備考 相続人が,自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に相続財産の状況を調査してもなお,相続を承認するか放棄するかを判断する資料が得られない場合には,相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立てにより,家庭裁判所はその期間を伸ばすことができます
リバースモーゲージの融資額が上回るか、不動産評価額が上回るか判断が難しい場合は、備考に記載される、申述期間の延長を行い、その間に専門機関の調査を行うようにしましょう。

リバースモーゲージの3大リスクに対策がある

常に、融資額をオーバーしてしまい、相続人が相続放棄をしていては、金融機関も商品として成立しませんので、いくつかの対策を用意しているのが一般的です。例えば、融資額を不動産評価額の7割程度に抑えているのもその対策の一つです。それ以外にも6ヶ月から1年単位で不動産評価額や金利を見直す契約などリバースモーゲージの3大リスクに備えた対策が用意されています。

相続放棄のケーススタディ

リバースモーゲージの契約時の融資極度額は2500万円の資金を調達できる契約だったが、契約者Aが死亡した時には2000万円まで不動産評価額下がってしまっていた。ただ、1年単位で融資額の見直しを行う契約であったために、毎年融資極度額を把握し使い過ぎが発生しなかったために、相続放棄する必要がなかった。

まとめ

リバースモーゲージは老後の資金を一括で借り入れできる反面、相続人も影響を及ぼすことからよく親族での話し合いが必要です。基本的なリスク対策を講じてはいますが、相続放棄に関する知識や生前に遺言を準備するなどできることは対処しておきましょう。









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