リバースモーゲージの税金はいつどのような時に発生するのか専門家が解説!







長年住み慣れた不動産を担保にすることで老後資金を確保するリバースモーゲージ。まとまったお金を確保できる時、気になるのは「税金」です。リバースモーゲージはどのような種類の税金が、どのタイミングでかかるものなのか、順を追って理解していきましょう。リバースモーゲージの仕組みを理解したい方は先にリバースモーゲージの全てが分かる!老後資金のプロが制度を徹底解説!をご確認ください。

リバースモーゲージで税金が発生するタイミング

まず、どのタイミングでどのような税金が発生するのかをまとめてみましょう。

タイミング税金の発生有無備考
契約時発生(印紙税・登録免許税)
資金受け取り時×発生しない
相続時発生する可能性あり(相続税・所得税)

基本的には上記のタイミングで各種の税金が発生します。それでは、具体的な税金の種類について解説していきます。

契約時に発生する印紙税・登録免許税について

老後資金を受け取る前段階の、金融機関との契約で発生するのが先ず「印紙税」です。契約書は複数枚作成して借入金の借主、貸主で自分たちの契約書分のみの印紙代を負担します。お金を借りる契約は「金銭消費貸借契約(金消契約)」と呼ばれ、印紙税の対象となっています。

印紙税

印紙税は、取り交わす金消契約の金額によって税金が変わりますので以下の「印紙税税額一覧表」を確認頂き、いくらの印紙税を支払う必要があるのかを把握しましょう。

印紙税税額一覧表

記載された契約金額税額
100万円を超え500万円以下2,000円
500万円を超え1,000万円以下1万円
1,000万円を超え5,000万円以下2万円
5,000万円を超え1億円以下6万円
1億円を超え5億円以下10万円
5億円を超え10億円以下20万円
※100万円以下、10億円を超える部分については割愛
原則は印紙税分、収入印紙の購入を持って税金の支払いとします。ただ金融機関によっては先払いで印紙を購入し、借主は相当分の現金を金融機関に支払うという場合も多いようです。

また、不動産の売買契約を締結するときも印紙税がかかりますが、こちらは平成30年まで軽減税率が適用されるため、金消契約とは税額が異なることにも注意です(時々、不動産契約のレートで印紙税を準備して不足に慌ててしまう方がいます)。

登録免許税

リバースモーゲージを締結するときは、一般的な住宅ローンと同様、金融機関が「抵当権」を設定します。この時にかかるのが「登録免許税」です。登録免許税は借り入れたお金の金額によって変わります。

登録免許税の税率

登録免許税=借入金の金額×0.4%
3,000万円を借りると12万円、4,000万円を借りると16万円が必要になります。 なお、住宅ローンを借りるときの抵当権設定登記は所定の条件によって登録免許税が「0.1%」となります。この特例は「建物を購入するための借入金」となり、リバースモーゲージは対象とならないため注意が必要です。

資金受取時は非課税な理由

老後資金を受け取った時は、所得税・住民税の対象になるのでしょうか。

公的年金が対象になるため、リバースモーゲージの受取金もなりそうなものですが、ここは非課税となります。 この理由は、受け取る老後資金が所得ではなく「借入金」、すなわちマイナスの資産であるためです。

リバースモーゲージはいわば居住用住宅を担保に借入金を分割して貰う制度のため、所得にはなりません。これは都道府県住民税に関する考え方としても同様です。

相続時に発生する相続税・所得税について

相続発生時点(融資期間終了時)において借入金に対する税金がかからないのは前項2でお伝えした通りなのですが、問題は借入金が担保となっていた物件の売却で利益が残り「プラスの資産」となった場合です。この場合、「残存利益」は相続財産となります。

このプラスの資産を相続人に承継するときは、相続税の対象となる場合と、資産を承継した者に対する譲渡所得として、相続人の所得税の対象となる場合に分かれます。どちらが適用されるかはケースバイケースのため、金融機関や税理士に相談するようにしましょう。

この場合、相続税の申告から3年以内の譲渡になる見込みのため、「相続税の取得費加算」の対象となります。これは譲渡資産の取得費として相続税額を見なすもので、相続税額が大きいと譲渡所得税を抑える効果があります。

ケーススタディー1:相続税も所得税も発生しないケース

債務者Aが亡くなった時点で借入金残額1,000万円。長男Bが借入金を相続し、担保となっていた実家を評価額の800万円で売却。200万円に対して譲渡所得税が課税されるも、相続時に200万円を支払っていたため差し引きゼロにつき所得税支払義務なし

ケーススタディー2:所得税が発生するケース

債務者Cが亡くなった時点で借入金残高800万円。長男Dが借入金を相続し、担保となっていた実家を評価額の1,200万円で売却。残額の400万円が相続税の対象となる。

税金はいつまで納めるのか

税金を納める期限は、税金の種類によって異なります。相続税は「相続の開始があったことを知った日の翌日」から10カ月以内、譲渡所得税は「譲渡の属する日(譲渡が実際に行われた日)」の翌年の2月16日から3月15日までに行います。

つまり、確定申告として行います。印紙税は契約の段階です。 税金によって納付する期限が異なりますので、注意するようにしましょう。

税理士に依頼しなければいけないのか

リバースモーゲージと税金の関係をお伝えしました。税金関連の仕事をしている人などではないと、とても複雑で困惑してしまうと思います。やはり、一定のお金を支払って税理士に依頼をした方がいいのでしょうか。 結論を急ぐと、税理士やFP(ファイナンシャルプランナー)などのお金の専門家に相談した方がいいと思います。

ただ、敷居が高くお金もあまりかけたくない・・という場合は、税務署などで定期的に行っている無料相談を活用するとよいでしょう。毎年2月の確定申告前には頻繁に開催していますが、それ以外の時も実施しています。最寄りの税務署のホームページなどから日程を検索することもできますので、一度確認してみてください。

税金の「憂い」をなくして、リバースモーゲージを利用するようにしたいですね。









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ABOUTこの記事をかいた人

工藤 崇

株式会社FP-MYS代表取締役社長兼CEO。ファイナンシャルプランニング(FP)を通じて、Fintech領域のリテラシーを上げたいとお考えの個人、 FP領域を活用して、Fintechビジネスを開始、発展させたいとする法人のアドバイザーやプロダクトの受注を請け負っている。Fintechベンチャー集積拠点Finolab(フィノラボ)入居企業。執筆実績多数。東京都千代田区大手町。